中学生と喧嘩したんだってさ...関わりたくないよね大体アイツの目ってなんかおかしくない?薬中?小学生で?うけるねそれ馬鹿みたいやめないかな学校


ガシャン!
蹴り飛ばした机が言葉を途切らせた。向き合っていた者もみなその机と、俺に目をやった
ただ1人を除いて

「...うるせぇよ」


行動を起こせばあっという間。
席を立って手を取り、無理やりアカギを外へ連れ出した

何でこいつを連れ出したのかは分からないけど、連れ出さなきゃ腹の虫がおさまらなかったんだ
クラスの奴らは馬鹿だ。本気でそんな事も思ってないくせにそう言えば自分が常識人だと、賢い奴だと自分達でしゃしゃり合う
胸糞悪い...我慢し難かった



「何で俺まで巻き込んだ?」

「...何だっていいだろ!」

立ち止まって力強く手を振り切れば、後ろにいるアカギが喉を鳴らして笑っている


「甘いね、凡夫」

「何だと!?」

「今度はアンタが噂されるよ」

「...いいよそんなの
取り敢えずお前をあの場から
出したかったんだよ」

「フフ...ありがとう」



切れ長の目を細くして笑うから、小学生とは思えないような透明な笑みを作るから。かあっと顔が熱くなるのがわかった。で、きっとこいつもそれを分かっている

今度は俺1人で走り出した
もうこんな奴と関わるなんてごめんだ!なんて心中上辺だけの感情に駆られながら

本当は「ありがとう」の言葉に、泣きたくなるほどの嬉しさを感じていた