掴まれた手を離すことは出来ずに、ナマエは質のいいベッドへと堕とされた。
赤木の手はナマエの体を這いずり回り、唇が触れるか触れまいかの距離で見る涙ぐむナマエの表情に、込み上げる失笑を出す
『ちょっ、いきなり...』
「年取ったらもつもんも
もたねぇんだよ」
捩る腰を掴まれ逃げられなくなったナマエの顔が鈍い痛みで歪んだ。
今はその痛みさえ溢れる愛液の材料となり赤木の根を飲み込んでいく
部屋に溢れる甘美な音をシーツの擦れる音が掻き立てる
『いっ...ぁあ!』
痛みから変わる堪え難い快楽にのけぞり、徐々に白くなっていく視界に溺れていく
『赤木さ...赤木さん!』
「くっ...う、」
重なる体温が熱く、つま先から脳天まで突き抜ける熱に肺が息を欲させた
「苦しいか...」
『はっ、あっ...はぁ...』
少し起き上がれば唇にまで届くような距離なのに
ナマエは赤木の遠さに涙を流した。
体を合わせる時間がどれほど短いか、あと1時間もしない内にはそれぞれ別の帰路につくのだろう
今や荒い息だけが響く部屋の中で、縋る物は何もない苦しさを噛み締めるナマエはその現実から目を背けるのに目を閉じた