若いんだから。って言葉がこれほどまで私を堕としいれたことは、今までの人生初めての経験で
若いんだから大丈夫だよ。若いんだから先があるよ。
とかいう頑張れる意味じゃなく、冗談っぽく笑った銀さんの「若いんだから他の男見つけろ」って言う言葉が、今私を突き落とした。



「冗談だよ、銀さんなりの
ナマエの事は心底
気に入ってるし、だから
ちょっとからかっただけさ」


温かいお茶を飲みながら、森田さんはそう言ってくれたけど

『帰る...』

と拗ねてまだお寿司が運ばれてこない内に家に帰ってまたモヤモヤ。



私はこれほども銀さんを求め、考えているというのに。結局それは全て私の中だけで誇らしげに咲いているだけで何ひとつ銀さんには評価されていない。
銀さんの前では何もかも、無意味だ。





そんな事を考えていればいつの間にか銀さんが帰ってきて、布団にくるまる私の上にのしかかった


「森田が泣いてたぜ?」

『明日謝っときます...』

「ナマエまで泣くこたぁ
ねえだろ?ん?」

『ううっ...』




銀さんの重みに擦り切れるような声が出たと同時に涙がポロポロと枕に落ちた。
今銀さんに退けと言えば、きっと退いてしまうだろう。
だから言わない。



「明日よぉ、出掛けるか」

気を使ってる

「泣いてばっかじゃ
わかんねぇだろ?」

困っている

「あー...
俺も余裕ねぇんだよ...」

余裕ないんだ。


『安心した...』




小さく噴き出して笑えば、銀さんは何も言えないで私を軽く睨んだ。

なあんだ、余裕なかったのか
銀さんも私と同じじゃないか、安心した。


ならば話しが早い。銀さんに私だけを見てって、伝えればいいんだ
だけどもう眠いから、また明日伝えよう。余裕もあることだし















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