※絵本「100万回生きたねこ」のパロディです。
もうさのようこさんマジリスペクト+クラサメhshsになった結果です。
遺憾としか言いようがない。



あるところに百万回生きて死んだ人間がいました。その人間の名はクラサメと言いました。何度生まれ変わってもクラサメは素晴らしい武人に生まれました。そして死ぬ時は全力を尽くして戦い、悔いなど残ったこともありませんでした。



ある時クラサメは商人でした。クラサメは商売が好きでした。彼は常に大陸を移動しては珍しい物を客に売りました。砂漠や森にはモンスターがたくさんいましたから、武人としても名高かったクラサメの腕はとても役に立ちました。クラサメの周りには多くの商人が集まり、たくさんの仕事を一緒にしました。ある日クラサメはモンスターと戦い、仲間の商人を庇って死にました。仲間達はクラサメの死を嘆き、オアシスに墓を立てました。


ある時クラサメは楽器職人でした。クラサメは楽器が好きでした。小さな町で多くの楽器を作り続け、彼の名を知らない職人や奏者はいないほどでした。ある日クラサメの町はやってきた兵士達に襲われ、楽器は全て焼かれクラサメ自身も撃たれて命を落としました。奏者達は楽器を奏で彼の死を悲しみました。


ある時クラサメは医者でした。クラサメは人を治すことが好きでした。けれども戦争が深刻化し、クラサメも軍医として戦争に駆り出されました。ある日クラサメは居合わせた戦場で爆弾に巻き込まれ死にました。クラサメを知る兵士達はクラサメが死んだ場所で手を合わせて祈りました。


ある時クラサメはルシでした。クラサメはクリスタルに仕えることが好きでした。多くの戦いにクラサメは出陣し、多くのルシを倒しました。ある日クラサメは他のルシと衝突し、相手を巻き込み死にました。多くの民がクラサメを称え、クラサメの輝石は国に保管されました。


ある時クラサメは生粋の武人でした。クラサメはその手で国や人々を守ることが好きでした。けれどもクラサメは任務で痛手を負い、戦場に立てなくなりました。クラサメは全線で戦えない分、子供達に戦い方を教えました。そうしてたくさんの子供を戦地に送りました。クラサメはその仕事が嫌ではありませんでしたが、罪深いことだと考えていました。けれどもそれが自分の宿命だと、彼は受入れていました。

クラサメが素晴らしい才能を持った子供達と出会ったのはこれまでにない大規模な戦争が起こった後でした。クラサメの教えることを全て吸収するものもいれば、クラサメに反抗的な生徒もいました。次第に戦いの中でも一人も欠ける事無く生き続けた彼らをクラサメは失いたくないと思いました。今まで生きてきた経験を教え尽くし、新しい世界を生きてほしいと思うようになりました。


ある日クラサメ自身も戦争に出ることが決まりました。それは戻って来れない戦いでした。通信機から教え子達の活躍が流れてきました。彼らは本当にクラサメが目を見張る位、立派な子供達でした。クラサメは舌を動かして、彼らの活躍を褒めました。通信状態が良く無かったので、伝わらなかったかもしれません。でもそれでいいと、彼は思いました。

死の直前になり、クラサメは他の戦場で戦って勝利を得た自分の教え子達の事を考えました。そして、初めてクラサメの中に悔いが残りました。
もっと、教師として指導をしてやればよかったと思いました。もっと、戦場以外で色々の場所に行って美しいものを見せたかったと思いました。もっと、馬鹿な話をしたり冗談を言ってやればよかったと思いました。もっと、当たり前の日常を共に過ごしたかったと思いました。

そのままクラサメは魔力を使い切って動かなくなりました。

クラサメは、もう二度と生き返りませんでした。





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