もぞりと動いた気配にクロコダイル目を開けた。

波に揺れる船の天井からベッドサイドに目を向ければまん丸な瞳がクロコダイルを見つめていて少しばかり眉間にしわを寄せる。この子供は数時間前に客間のベッドに押し込んだはずだと記憶を辿った。

別段歓声をあげるわけでもなくパジャマ姿で枕を抱き締める子供は伺うようにクロコダイルを見上げていて、ああ、登りたいのかと何の気なしにその襟首をつまみ上げた。

途端に嬉しそうに顔を綻ばせた姿にあとは後は好きにしろとクロコダイルは寝返りを打てばもぞもぞと背中越しに気配が布団に潜り込む。

ぴったりと背中に気配がくっついたのを感じながら、クロコダイルは眠気に任せてまぶたを下ろした。

なんで子供と寝てるんだと、起きた後で大いに首をひねるのは数時間後の話だ。