「予言するガキ、だァ?」

「ああ、面白そうな話だろ?」

なんでも、あんたや噂の魚人が七武海入りするのを予言したらしい。他にも、知らねぇはずの名を言い当てて見せたり、ガキが知るはずのねェ過去を言う。

そう言ったブローカーがコーヒーを啜り、ただ、攫われたらしいがなとmissingと綴られた手配書をみせた。そこに描かれているのは見覚えのある満面の笑み。

ソルじゃねぇか。

そう思いながらも、知らねぇなとワザとらしく首を傾げて見せれば、同じくワザとらしく肩を竦めて見せたブローカー。アンタの商品のなかに紛れていないかと思ったが、他を当たってみるとしよう。そう言い残し、今回の取引の金を置き、ブローカーは飄々と去っていった。その子供を探す魂胆を深く話すつもりはないらしい。金払いはいいが、あまり信用はできない男だ。一人残され去っていくブローカーの背を横目で追いながら、ドフラミンゴはぬるいコーヒーを啜った。

「……予言、ねぇ?」

確かに、ドフラミンゴの名は言い当ててみせたが。

先ほど見せられた手配書と、同じ七武海の気難しい男にくれてやった子供を思い出し、ドフラミンゴの頭脳はぱちりぱちりとピースを当てはめていく。

そうしてしばし思案した後、弾き出した結論にぬるいコーヒーを一気に飲み干しドフラミンゴは大きく息を吐いた。

「………ま、いっか」

どうでも。