姐さんがネット通販にハマってしまい、週一で何かしら届く田中家と白犬タケルの宅急便鰍フお兄ちゃんはすっかり顔見知り。家の電話番号は最早登録されている。

ただ部活でいない事が多い龍之介くんは、オフの日初めて受け取りにでた。姉ちゃんも母さんもかっこいいと騒いでいたのは知ってるけど気にしてない、むしろイケメン爆ぜろぐらいに思っていたのに。



「はいはーいイマデマース」

がちゃりと開けた先、暑い日差しを背に陰る顔を見上げて龍之介は静かに目を見開いた。

「こちらにサインお願いしまーす」

田中龍之介16歳の夏。それは初夏の風が吹き抜ける、呆気ない一目惚れだった。