前世海賊現天竜人主。
前世はそこそこいい線行ってたけど家族人質に取られて天竜人の奴隷となってそのままご臨終。恨みつらみを持ったまま生まれた先は天竜人でした。

なんかもう嫌悪しかない身の回りに悶々とした幼少期だけど使えるものは使おう精神で天竜人としての地位は確立させていく。出家したところでどうなるかは予想ができた。ただ奴隷には異様に嫌悪感を剥き出しにするので家に居た奴隷は遠出のついでに海に蹴落としたり忘れてきたりして減らしていった。そんな中で一人の奴隷は異様に気に入る。

前世の仲間は奴隷になってました。

ガキを拾って育てていたけれど、そのガキすら奴隷になっていたとはと打ちひしがれるが身寄りがないことも仲間が死んでいることも知っているので手放せない。嘘、ただ前世に縋りたくて手放せない。

異様に優しい天竜人の子供に元仲間はびくびくしつつも次第に懐く。

そんななか、ほかの天竜人が元仲間を殺しました。

元々海賊で気性が荒い主は、殺した天竜人を追い詰めます。

「俺のものを殺したのかえ」

「あいつが失礼だったからえ…!!」

「殺した、のかえ」

「わ、悪いのはお前の奴隷…っ」

「殺したのか」

ぱん。

大問題となりましたが、それも一夜のことでした。位は相手の方が高かったのですが、一家ごと消えてしまえば高いも低いもありません。恐れ戦いた天竜人は、主との距離を取り始めます。臭いものには蓋、見て見ぬふり。実に天竜人らしいではありませんか。

そうして恐怖による実権を握った主は、しかし天竜人としての振る舞いを辞めました。

お気に入りと称していた奴隷を引き連れ、海に出ます。天竜人の名を捨てたわけではありません。海賊になるつもりもありません。ただ大好きだった海を、好きに渡りたかったのです。

掃除も洗濯も航路の確認も、すべてが懐かしいものです。荒れていく手肌、日に焼ける肌、おおよそ天竜人らしくありません。しかし彼は天竜人です。時には海軍に護衛され、時には恨みを持った海賊に攻撃されます。

「グララァ…天竜人と言う割に、ちゃんと船乗りの手ぇしてやがる」

「もうちょっと大人しくしてくれると、わっしらも楽なんだけどねェ〜」

「フッフッフッ…俺ァてめぇを知ってる、てめぇは俺を知らねぇだろうがなァ…」

そうして繰り返される様々な出会いを誰か書いて下さい。