空に揺蕩う海月を見あげた
きらきらきらきら
遠く輝くお月様
光が放物線上の輪を描いて
夜の波を浮き上がらせる
夜の海は暗いから
落ちたら誰も拾いに来てくれない
誰も誰も
上りゆく空気が楕円となって
空に飛び出て弾けて消える
冷たい水が纏わりついて
最後の空気を吐き出した
まるで遠い世界みたい
手を伸ばしても
掴めるものはそこにはなくて
何一つ掴めやしないと
笑われた気がした
苦しいな
暗い所に落ちていく
光なんか届かない
「 」
何も見えない闇の中
確かにこの手に何かが触れた
「お前馬鹿ぁ!?夜の海はやめてよマジで!!」
「わりいわりい、酔ってたもんで」
「次は助けねえからな!!」
その手をつかんでくれたのは
確かに君だった