2017年4月21日
長男に夕飯をあげていた最中だった。ちょろちょろと、水に近いそれが止まらない。
おりものかとおもった。ここ2週間ほどは嫌におりものが多く、下着がびしょ濡れになるのも驚かなくなっていた。
前の週に検診に行った時は、おりものだろうということで薬を入れられ終わりだったのも、楽観視していた原因かもしれない。今となっては正直、あれも破水だったのではないかと思う。少しずつ少しずつ、羊水が漏れていたのではないか。今となっては、気にはなるが確かめる勇気がない。病院に問い合わせる気にも、なれない。
ともかく、7時頃だったろうか。どうにも落ち着かず、出張中の旦那に電話を掛けた。
「なんか、すげー出るんだけど」
「病院行っとけ」
「ですよねー」
夜間診療高いよなぁ、もうチビは眠たそうだけど、行っておいた方が安心できるか。
それぐらいのことしか考えてなかった。
病院に破水分からないが、水っぽいおりものが出ることを伝えると来てくださいとの事だった。
子供を車に乗せ、5分ほどの所にあるかかりつけの産婦人科を目指す。この時は、あまり水は出なかった。
着いてもそんなに緊張感は湧かない。子供は待合室のおもちゃに飛びつき、おじいちゃん先生を待っていた。愛想はないが、長男もとりあげてもらった有名な先生だ。
内診され、先生は首を傾げる。
「いっぱい出た?」
「スカートの後ろが結構濡れるぐらい出ました」
「今はあまり出てないし、羊水も減ってないんだけど、もう1回内診させてね」
長男が騒がしくて、先生の顔色は見られなかったけれど、真剣な顔だったかもしれない。
この時はまだ量も出ておらず、破水らしい破水では無かったようで先生も戸惑い気味だったが出された答えは「県病に行きましょう」だった。
違ったらよし、違わなければ、大事ですと、それだけの簡潔な説明は私を不安にさせないためのものだったのだろう。
救急車を呼ぶほどではないが、自力では行かない方が良いとの事で私は母を呼び出した。