「よし、ジャック殺そう」

忌々しいほど白い砂浜に打ち上げられたまま、憎たらしいほど青い空を見上げて俺は呟いた。頬がかぴかぴする。

ざっくり話を纏めよう。ジャックを裏切りバルボッサについて行って呪われた。呪いが解けたらバルボッサが死んだのでジャックについて行くとクラーケンなんてろくでもないものを連れて来やがって俺はクラーケンに飲まれた。勝てるわけ...ないじゃない...

気がつけばこんなところに打ち上げられていたわけである。消化されずに排出されたのか?俺はイカの排出物か?それともあの世か。どちらにしろイカのケツから出たんだな...。

いい加減日差しが目に痛いのでのそりと起き上がると、ちゃりんと首元でおとがする。見下ろすとそこには二度と見たくない金色が一枚。トラウマ的におどろおどろしいアステカの金貨様。

「...うっそだァ...」

何でこれがあるの。俺は奪った記憶ないのにまた呪われたとか言う?俺が呪うよ?果たして誰を呪えばいいのか。

もはや条件反射的に喉が酷く乾きはじめ、ついでに腹まで減ってくる。