ドフラミンゴという人格が化け物だとするなら、それは人の業が作り出したものだ。

幼い頃、出生のまま天竜人として生きてこれたならあの両親の元で育つのだ、悪意の無い程度の悪人で済んだかもしれない。天竜人でなくなったとも、悪夢と言っていい迫害が無ければ、万に一つぐらいの可能性で心優しい男になっていたかも知れない。

過ぎた過去を今更とやかく言うつもりは無いが、とにもかくにも、ドフラミンゴは己が化け物だと言われようがなんの罪悪も感じない。むしろ馬鹿馬鹿しさに笑いすら零れてしまう。人の業は人が受けるべきだろう、と。

そんな化け物たるドフラミンゴがどこで愛を覚えたのか、それはグレイだ。

幼い頃、確かにあの両親に愛情は注がれ育ったのだろう。しかしそれは迫害の元、帳消しどころか憎しみにすらなった。