ジジイのパシリで、隣の隣のもう一つ隣の島まで行くことになった。それはいい。昔の海賊やってたころに比べればそこらを散歩するぐらいなものだ。だがこれはない。

「お前、待ってろって言ったろ…」

殴る気力も沸かずに項垂れると、チビはふてぶてしく鼻を鳴らして勝ち誇ったみたいな顔をした。

出航の際、見送りにすら来ないのかよやっぱ可愛くないチビだなって思ってた俺を一回殴り飛ばしたい。気ままな一人旅が儚い夢となった。