「おいジジイ」
「なんだおっさいっでぇ!!」
この手の早さは誰に似たのか。
骨までかくやと言った勢いで右足を振り抜かれ、嫌な音がした俺の右足に思わず蹲る。
はん、と鼻で笑ったクロコダイルを見上げるが、誰がどう見たって悪人ヅラしたおっさんだ。自覚しろばか。
涙目になりつつ目の前の足を払えばクロコダイルは無様にたたらを踏み、忌々しげな舌打ちを一つ。おっさんらしく反射神経は鈍いようで一安心だ。いや待てこいつ海賊なのにいいのかそれで。
「このジジイ…!」
「うっせぇチービ!」
「あぁ!?」
「あ゛ァ!?」
がるる、と歯をむきだして唸りあうが、こん、と響いた軽やかなノックに二人して扉にぎろりと視線をやった。
くすくすとミステリアスな笑みを浮かべるロビンに思わずほっこりとして、その隙に思い切り足を蹴られて再び蹲る。このチビ、と歯噛みしたがそれを遮ったのはロビンだ。
「楽しそうなところごめんなさいね、時間は大丈夫なのかしら」
謁見の予定じゃなかったかしら、とさらりと告げたロビンにクロコダイルはちらりと時計を見た。
「……今行く」
大丈夫な時間ではなかったらしい。にやあっとからかう様な笑みで見上げたが、思い切りよく左手を振り抜かれた。
「」