「おい、ナマエが殺せと言いわれただろう」
「俺は見ているだけでいいと言われたな」
「そうだった、殺せと言われたのは俺だった」
「フッフッフ、おいナマエ、面倒がってねぇで働け」
えーと声を上げれば振り下ろされる硬化された竹に悲鳴を上げた俺は悪くない。断じて悪くないと叫んでも響く若の笑い声にうなだれた。なんなんだ畜生子供がいっぱいいるというからきたのにようとさめざめ泣いたところでどうしようもないので誰も慰めてはくれない周りはもう少し俺に優しくてもいいと思う。
「…ナマエ?」
そう言ってイケメン君が俺をぱちくりと見やるが生憎長らく若の元を離れていた俺にこんな知り合いはいなと首を傾げた。誰お前。
「フッフッフ、お前ローを忘れたか」
「は?ロー?」
そういってまじまじとそのイケメン君を見つめてみればああ確かに帽子とか生意気そうな顔とか面影がなくないような。
そうか、やっぱりヴェルゴなんかに預けるからぐれたんだなとつぶやいたら再び振り下ろされた竹が側頭部にクリティカルヒット。ものの見事に吹っ飛ばされた。
「久しぶりだっつうに容赦ねぇぇえ…!」
むしろ年々悪化してるなこの野郎!と叫べばその場にいた皆の冷ややかな視線に項垂れた。もう俺の精神力はゼロだ帰ると言えばがしりと掴まれる腕。その手を辿って見上げればイケメンに成長したローがいた。
「あー…なに?」
「…いや…」
そんなしょんぼりされても可愛くないなと大きくなったローにこっちがしょんぼりだ。
「フッフッフ、話進めていいか」
「あ、はいどうぞ」
その後ヴェルゴ共々バラされた。解せぬ。