森を抜けた奥深く。きらきらと輝く星をなぞり、白い吐息を燻らせる。

首を覆うマフラーも厚手のコートもロングブーツも、すべてが事足りないような極寒で身を震わせるがそんな中でも元気なやつはとことん元気だ。

「ウェヌスも来いよ!!この雪本当にふわふわだ!!」

黒髪に白い雪を乗っけて、子どもか犬かと迷う足取りでロジャーが新入り達を引き連れ走り回る。まっさらな雪は、無遠慮な足跡に汚されていくのが少しばかり迷惑そうだ。

寒さに震えながら、海賊のくせに屈託のないその横顔を眺めていると不意に吹き出すように笑ってしまった。

「ロジャーは本当に、いくつになっても子どもみたいなんだから」








まるで羽毛を敷き詰めたような柔らかな雪を踏みしめ、コートに身を包み直した。

本当に羽毛のようにふわふわな雪は真っ白で、きらきらと朝日を弾いては世界一面が銀色に輝かせていた。

吐息すらも白く輝き、冷えた空気に鼻先が痛い。

「ふふふ、ふわふわだねぇ」

凍てつく寒さに頬が冷たいが、ふわふわとまるで大きなベッドで跳ねてるような踏み心地に小さく体を弾ませた。

前にここを訪れたときは寒さに震えながら、結局船員総出で雪にまみれて遊んだんだったか。

雪合戦もしたしみんなに似せた雪だるまも作った。ふわふわな雪は固めてもふわふわなままで、ぶつけ合った雪玉がまるで冷たい毛玉のようだったことをよく覚えている。思い出した記憶を愛でるように、真っ白な雪の上でぴょんと跳ねてみると、足跡に汚れた雪が迷惑そうにはらりと散った。それが無性に面白くて、ぴょんともう一度跳ねると頭上の木の枝から滑り落ちてきた雪。

「朝早くにどこに行ったのかと思えば」

かけられた声にぎくりと肩を強ばらせ振り返ると、にやりと、まるでいじめっ子然りとした笑みを携えたニューゲートが雪を踏みしめ銀色に照らされそこにいた。

「随分と楽しそうじゃねぇか」

「なんだい、付けてたなんて趣味が悪いよ」

子供みたいにはしゃいだ姿を見られたのかと思うとどこか気恥しくて、思わず睨みつけるようにその顔を見つめたが


「浮き足立ってたもんで心配したんだ」

「」