■ 拒否権はないよ
「……寝起きにオッサンの面は重てぇな……」
「ほざけジジイが」
剥きだしの腹に乗っかって、にんまりと笑みを深めたドフラミンゴはじゃれつくように頬に唇を寄せてきた。それを甘受しながら、体を解すように身じろげばぱきりと背骨が音を立てる。
ベッドサイドに置いていたミネラルウォーターを口に含んだが、それでもお構い無しに、ドフラミンゴはその手をやらしく脇腹に這わせ気持ち程度に羽織っていたシャツを剥いた。
「朝から元気だねぇ…」
「フフ、夜更かし出来ねぇジジイに合わせてやってんだから感謝して欲しいぐらいだぜ」
「うるせぇ殴るぞ」
「やってみな!フフフ!」
意気揚々と自身のシャツも脱ぎ捨てたドフラミンゴが、おもむろに舌なめずりをひとつ。にんまりと細まった目がなんとも言えない色気を孕んでいた。後ろ手にナマエの内腿を撫で、見せつけるように自身のパンツを寛げるさまはさながらストリッパーだ。爽やかな朝とは随分と程遠いと、眠気の残る頭でナマエが笑う。
まだ血の回りきっていない手を持ち上げ、剥き出しの肌をなぞる様に這わせればぴくりとその胸が震え、小さく鼻にかかった息が漏れた。
そのまま頭をたぐり寄せると、緩く立ち上がったそれが腹と腹とに挟まれ、擦りつくけるように揺れた腰を撫でながら唇に噛み付いた。
「ん、んん……っ、ふ」
舌を吸い上げ、歯列をなぞり口内を舐るだけでびくりと大袈裟なほど跳ねる体。上顎を擽るように舌先でつつけば、それだけで腹に当たるそれが硬さを増し、涎で腹を汚したのが分かる。
「おーおー、インラン」
「は、っん、フフ!仕込んだ野郎がよく言うぜ」
「そうだったか?」
肩を押し体を上げさせると、空気に震え、だらだらと涎を垂らすそれが顕に存在を主張した。見せつけるように身をよじるドフラミンゴの口に指を含ませ、もう片手でどろどろと物欲しそうに震えるそれを握り込めば切なげな声がこぼれ落ちる。
指に絡み付いたカウパーがぐちゅぐちゅと空気に泡立ち、限界まで膨れ上がったそこは筋が浮き上がり腹の上の腰が合わせるように揺れる。堪えようともしない喘ぎ声は、指に阻まれながらも唾液とともにひっきりなしに溢れて滴った。
「あっ、あ!ひっ、っ!」
舌を抓るように引っ張り、鈴口に爪を引っ掛ければその身体が一際大きく跳ねてナマエの手のひらを白濁が汚す。数度にわけた吐精が終わっても、びくびくとあと引くように震える体を再度引き寄せこめかみにキスをひとつ。
ドフラミンゴの口から抜き去った指に涎が伝い、はぁはぁと荒い息を吐き出す顔を見上げて早く退けとべちゃべちゃの手で腰を叩いた、が。
「おいおい、本番はここからだろ?」
「……腰がいてぇ」
「フッフッフッ!俺が乗っかってやるよ、おじいちゃん!」
がしりと掴まれたその手はそのまま、ドフラミンゴの望むままに攫われてしまったのだった。