俺の気になるあの人は、カッコいい。


「おーアリババ、元気してっかー」
「ナマエさん…!お、おはようございますっ」
「おいおい、そんなに改まんなって」


な?なんていいながらナマエさんは俺の頭をワシャワシャと撫でる。本来ならば頭をなでられるのは好きではないが、ナマエさんなら別。


「ん?アリババどうした、そんなに俯いて」
「いいい、いやっ!何でもないッス!」
「ん?」


頭に疑問詞を浮かべながらも、ナマエさんは、アリババがそういうならいっかとあっさり俺の頭から手を離した。


「そういやナマエさん、今日はどうしたんスか?何か用でも?」
「あー、用っつうか…暇っつうか…」
「…何となく理解できます」
「おいおい、そんな目で見んなって!」


手を振りながらナマエさんは必死に弁解する。この人はいつも暇を持て余しているみたいで、今日、俺の前に現れたのもただの暇つぶしだろう。


「それでどうスか?暇つぶしにはなりましたか?」
「いや、そうじゃなくってだな…」
「はい?」
「俺、今日はアリババに会おうって思ってここ来たんだけど…」
「え、」


爆弾発言。


「…なーんてな!冗談だよ!」
「…ハハ、そうッスよね!」
「今、俺に惚れただろ?」
「…べ、別に…」
「えー?ホントかぁ?」
「…あぁもう!充分惚れてますからっ!」


(…あっ!(言っちゃった…))
(おー…ふーん。アリババが、ねぇ)


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