「お、おおう」


お風呂から出て、生放送見ようかなーとパソコンを開いたときだ。ポケットに入れている携帯電話がメールを受信したようでぶるぶると震えた。どうせ迷惑メールだろと思ったが、一応確認のために受信ボックスを開ける。1番上の欄、に新しい名前。


「赤司氏…じゃないですか!!!」


携帯電話の画面を思わず二度見してしまった。携帯電話を握り締め、その赤司氏からのメールを、開けた。



from:ブラッドナイト赤司氏
件名:無題
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2つ被ったorz



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実にシンプルな文面だが、そのシンプルさから悔しさがにじみ出る。今日もやったのか。



to:ブラッドナイト赤司氏
件名:Re:
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私も今日6回やって3被りです(´・ω・`) ショボーン
ちなみに歴代の被りたち


--添付ファイル一件--

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今まで被ったファイル5枚の写真を添付して、返信。すると暫くしてまた返事が来た。




from:ブラッドナイト赤司氏
件名:Re: Re:
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|ω・`){まだそれ全部ゲットしてない裏山
それで俺の被り達5枚(´゚ω゚`)ショボッ
これもってなかったら被り同士で交換しないか(`・ω・´)シャキーン


--添付ファイル一件--


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やけに可愛い文面は置いておいて、赤司氏の被りの写真を見る。彼の被りを私も持っていないよう。


to:ブラッドナイト赤司氏
件名:Re: Re: Re:
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お前のその交渉、乗った!b


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某サッカーゲームの台詞を真似て返信する。どうくるかなwktk。すると、予想通りの返信。



from:ブラッドナイト赤司氏
件名:Re: Re: Re: Re:
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バスケやろうぜ!

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思わず携帯電話を閉じて布団にダイブ。やばい。これは楽しい。ネタが分かってもらえて反応してくれるこの嬉しさ!ありがとう赤司氏。なんて思っていると、今度は着信メロディ。携帯電話のディズプレイを確認すれば、赤司氏の名前が。私はゆっくりと応答ボタンを押して、携帯電話を耳に当てた。


「もしもし」
『すまないな、少し文を打つのが面倒になった』
「赤司氏の文面可愛すぎて」


素直な感想を述べてみると、電話の向こうが静かになった。どうしたの?と呼びかけると、咳払いが返ってきた。なんだ照れてただけか。


『明日、放課後体育館に持ってきてくれないか。試合を控えているからこっちから会いにいけない』
「いえいえ、試合頑張ってくださいな。明日の放課後の体育館ですねー、了解しました!」
『あと、渡すときは差し入れ的な感じだと嬉しい』
「周りにばれちゃマズいもんね、了解。紙袋に入れてなんかいい感じにする」
『夜分の電話、すまないな。じゃあまた明日』
「ん、おやすみ」


電話を切って携帯電話とにらめっこをする。電話の向こうの赤司氏が何より楽しそうで。今まで誰もいなかったんだろうなぁ、こういう友達。


さぁ明日の準備を始めよう。ファイルだけじゃなんだかぺらぺらだよね。タオルとかも入れといてもいっか。タオルは普通のがいいかなぁ。なんて案外私も楽しんでいたり。

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