「りじちょぉっ!しつれいしまぁすっ!」


大きなドアを勢いよくあけると、凄い色をした部屋が私を迎える。真ん中にある机に備え付けてある椅子に座ってる理事長もといメフィストは、私を見ると眉間に皺を寄せ、ため息を吐いた。


「もうりじちょおっ!そんな顔しないでくださいよぉっ!」
「少し黙っていただけますか」
「えへっ、ごめんねぇっ」
「あとその喋り方と」
「…ケッ、つれねェなァ」


せっかくこのプリティキュートな名前様がわざわざ出向いてやったのにな、といってやればそれはどうもです、と気持ちのこもってない返事が返ってきた。


「で、貴方は一体なんの用です?」
「あーそうそう、学校指定のスカート、届いてないんだけど」
「あぁ、私が断りました」
「はァー?!」
「貴方は男でしょう」
「正真正銘の乙女だっつーの!」
「ついてるもの、ちゃんとついてるでしょうが」
「それを言うなよ」
「本当の事をいったまでです」


こいつ…殴ってやろうか。と、おもったけれど、こんな可愛い顔で人を殴るなんてことはしたくないのでそこはぐっと堪えた。


「まぁ俺は別にいいんだけどなぁー」
「…なんですかその言い方は」
「だって俺、お前が密かに集めてる愛して☆メルシーのフィギュア、セカンドシリーズコンプしたから、スカートくれたら受け渡そうと思ってたんだけど…そうかいらねェンだー」
「…なん…だと?!お前まさか…全てをそろえたというのか?!」
「あぁ。旧スク白スクロリータ巫女水着制服夏冬両方は勿論、希少価値な部屋着も眼鏡も全部そろえたぜ」


ほれ、と証拠にその写真を見せてやる。写真を見るなり、メフィストは咳払いをし、


「まぁ、スカートくらいなら許しましょう」


なんてあっけなく承諾してくれた。


「オッケー、じゃ、また俺の部屋に送っといてくれよな」
「分かりました。それで、フィギュアは?」
「あぁ、多分もう来ると思うんだけど…」
「は?」


瞬間、ばりーんと窓ガラスを割りながら地の王アマイモンがダンボールを持って部屋にやってきた。


「お久し振りです兄上。名前、これ、頼まれていたものです」
「おうおう、サンキューなアマイモン。そのダンボールはメフィストのだから、渡してやってくれ」
「わかりました、では兄上。どうぞ」


アマイモンからメフィストへ、ダンボールが送られる。メフィストはダンボールを開封し、中身を確認した後、俺とアマイモンを見て本日二回目のため息を吐いた。


「…お前等…」
「りじちょぉー?どうかしましたかぁ?」
「…もういいです。貴方は早く塾へいってください」
「ではボクも」
「アマイモン、お前は帰れ」
「えー」
「アマイモンもいっしょに勉強したいもんねぇ〜っ?」
「名前が気持ち悪いです」
「死ねよ」




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