アニヲタな君と ほのぼの番外編



どうもこんにちは、黒子テツヤです。今日はレギュラーの皆さんと食堂でお昼を取ることになりました。こういうことはよくあるのですが、今日はなんだか1人、様子が可笑しい人がいます。


「…赤司君、どうかしましたか?」
「あ、いや…別に何もないが…」


あたりを見渡し、ソワソワとしている赤司君は、やはり様子が変なのです。どうやら他の人たちも僕と同じことを思っているようで、ジェスチャーで会話を始めました。


「(赤司っちなんかソワソワしてないッスか?)」
「(今日は何もないのだよ)」
「(赤ちんトイレ行きたいんじゃねーの?)」
「(赤司に限ってんなことねーだろ)」
「(試しに黄瀬君が話しかけてください)」
「(え、ええ?!俺ッスか?!)」


なんて会話(という名のジェスチャー)をしていると、赤司君を呼ぶ女の人の声が聞こえてきました。声がした方をみると、赤司君に手を降り、こちらへかけてくる女の人…もとい名字さんがいました。


「(お、おい何だよアレ!赤司の女か?!)」
「(つか、なんであの赤司っちにそんなフレンドリーなんスか!!…ん?あの子、何処かで見たような見てないような…)」
「(お前の取り巻きじゃねーの?)」
「(俺の取り巻きにあんな清楚なコはいないッス)」
「(…ふん、興味ないのだよ)」
「(赤ちん楽しそー)」


名字さんを見つけた赤司君の顔が、ぱっと明るくなりました。赤司君は席を立ち、その名字さんに近寄りました。どうやら何か物をあげているようです。


「(あの赤司っちが他人…しかも女子にプレゼント?!やっぱあの人は…)」
「(あああ、あ、あり得ないのだよ…あり得ないのだよ!!)」
「(でも赤ちんも何か貰ってるみたいだけど)」
「(つか、赤司何で今まで言わなかったんだよ!!)」


どうせ貸し合いをしていた漫画でも交換しているんでしょうね。2人の顔がとても満足気です。


「ディメンションWいいですね!ストーリーも!作画も!やばかったです!」
「だろう?東京喰種もなかなか良かったよ」


ほら、やっぱり。傍から見ればプレゼントを交換し合って、仲睦まじく喋るバカップルですが、僕から見ればただのヲタ同士のマシンガントーク。


「赤司氏赤司氏、ついにダンロンアニメ化ですね」
「そういえば、PV公開してたな」
「作画もいいですしね!良アニメになりような予感がします。あ、そういえば!無気力クーデター聞きました?ラスノさんの楽曲は聞いていてとっても楽しいですよね」
「ミカグラか…確かに曲としては好きだが…最近は楽曲をシリーズ化して小説化を狙った物が多いのが気に食わん」
「私は別に気にしてませんけど…でも、それくらい人気ですからね!」
「人それぞれもいう事だ」
「そ!れ!よ!り!!!ローゼンメイデンの新アニメが夏放送らしいです!」
「昨日見て吃驚したよ。真紅と出会わなかったはずの大学生ジュンの物語…だっけ?」
「どうなるか楽しみです!!」


キャッキャウフフと話し合う2人。それにつられ、周りの人からの誤解がどんどん大きくなっていきます。


「(クソッ…赤司に先越されたじゃねーか!)」
「(何がッスか青峰っち…!俺だって先越されたッスよ!モデルなのに!)」
「(んー、まいう棒なくなったー)」



「今度また漫画貸し合いしましょうね」
「あぁ、名字に借りる漫画はどれも面白いからな」
「赤司氏のチョイスも最高です!さすがとしか言い表せません!」
「それは良かった。あぁ、あと名字に頼みたいことがあるんだ」
「はい?」
「今週の日曜は空いているか?」
「今週…ですね、ちょっと待って下さい」



「(スケジュール帳を見てるって事は、これ絶対デートの約束ッスよね?!)」
「(煩いのだよ黄瀬)」
「(とかいいながらミドちんもさりげなーくみてるよねー)」
「(べっ、別に見てないのだよっ!!)」
「(…よく見りゃアイツ、結構胸あんじゃん)」
「(うわ、青峰っち最低ー)」
「(うるせぇ)」


「はい、空いてます」
「そうか。ついてきて欲しいところがあるんだ。11時にいつものファミマで待ってる」
「フフッ、了解しました」


互いに手を降り、赤司君が帰ってきました。いままでこそこそと喋っていたほかキセキたちは、ソワソワしながら赤司君が椅子に座るのを見ていました。


「…何だ?」
「赤司っち、清楚な彼女さんッスね」
「は?何を言ってるんだ黄瀬、暑さで頭が湧いたか」
「おっぱいもでかかったし」
「だから何の話だ」


今日もキセキは平和です。


- ナノ -