「よし、来週の郊外学習の班を決めるぞー」
一学期最初のイベント、郊外学習もとい遠足が来週にまで迫っていた。これは、クラスのみんなとの親睦を深めるという、教師達の思惑なのである。クラスの人達と仲良くなるチャンスだ、とわたしは1人意気込んでいた。
「名前ー!ウチらと組もーや!」
「んー、いーよー」
誘われた芽衣ちゃんの班の中に入り、役割分担を始める。因みに班分けは、女子3人男子4人の7人班。男の子は人数が多いからね。私の班はまだ女子の芽衣ちゃんと里奈ちゃんしか決まってないようだ。
「男子どうする?ウチはなんでもええけど」
「えぇー、ちゃんと喋れる人がいいなぁ…名前ちゃんは?」
「んー、せーくん?」
「せー?…ごめん、誰それ」
「赤司征十郎。征十郎だからせーくん」
私がマトモに喋れる人のうちの1人、赤司様ことせーくんの名前を挙げてみる。すると2人はえぇ?!と驚愕し、目を見開いた。
「名前、赤司と知り合いなん?」
「幼馴染だよー」
「あ、ああ、赤司君と遠足一緒?!」
「んー、取り敢えず聞いてみよっか。せーくーん」
黒板の前でしんくんと喋っているせーくんを呼べば、颯爽と此方にきてくてれた。どうかしたか?と聞かれ、実はかくかくしかじかでと要件を説明した。
「俺は緑間と佐藤と樫木と組んでいる。それでいいなら俺は構わないぞ」
「だって」
どうする?と私の後ろで固まってる2人問いかければ、芽衣ちゃんはよろしくーと手をふり、里奈ちゃんは物凄い勢いで頷いた。
「遠足かー!楽しみだなぁ」
「名前、役割分担をするぞ」
「はぁい」
7人で机を囲み、みんなで役割分担をすることに。結果はまぁ、分かりきったことで。
「班長が俺で、副班長は緑間だな」
「んじゃ俺らは何すればいいんだ?」
「佐藤は時間、東堂と藤原は食事で、女子2人のサポートを樫木に頼む」
「「「「ラジャー!」」」」
せーくんのカリスマ性は、こんなところでも発動するようで、すぐに班を纏めた。けど、私の役割が決まっていない。私は何をすればいいの?とせーくんに聞いてみれば、迷子にならない係りを割り振られた。
「もう!ちがうよせーくん!私もみんなみたいになんかかっこいいのやりたい!」
「あぁ、ちなみに俺は班長と名前のお守りを兼任している」
「せーくんのばか!私は迷わないもん!」
「去年の林間学校で1人裏山で迷ったのはどこのどいつだ」
「ぐぬぬ、」
結局、せーくんに言い返せれずに、私は迷子にならない係りになってしまった。なんだか腑に落ちないけど、遠足楽しみだなぁ!
*モブちゃん達のお名前は、関西弁の東堂芽衣(とうどうめい)ちゃんと静かな藤原里奈(ふじわらりな)ちゃんとノリのいい佐藤悠太(さとうゆうた)くんと紳士な樫木健也(かしきけんや)くんです。