「と、いう訳で、だ。元に戻る間、ジュダルをシンドリアにおくことになった。ナマエの顔をしたジュダルには、誰か1人監視をつける」


シンドバッドさんの説明が終わり、改めて宜しくお願いしますと八人将の方々に頭をさげる。それをまじまじと見られているのは、おそらく気のせいではないだろう。


「なぁ」
「は、はいっ」
「お前、ホントにナマエ…か?」
「はい、ナマエです」
「…ふーん」


私に近づき、まじまじと此方を見つめるシャルさん。なんだかとっても気恥ずかしく、思わずうつむいた。


「おいナマエ!俺の顔で変な顔すんなよ!」
「じゅ、ジュダルこそっ!私の声で悪い口調やめてよ!」
「お前のその女々しい喋り方と動きもやめろ!」
「足開かないで!下着見えるじゃない!」
「うるせぇ!黙れこのブス!」


ジュダル(外見は私)に押され、耐え切れなくなった私は思わずシャルさんの後ろに回りこむ。ちょっと涙が出てきそうになったが、そこは頑張ってこらえる。


「うぉ、(中身はナマエ…中身はナマエ…)」
「ううっ、シャルさん…」
「おー、あ、安心しろ!俺が守ってやるから、な?(中身はナマエ…中身はナマエ)」
「ううっ、ありがとうございます…」
「(ギャァァァァ中身はナマエ…中身はナマエ…」
「ナマエ、そいつ今変なことかんがえてるから近寄らない方がいいわよ」
「まるで中身はナマエだって言い聞かせてるみたーい!」


ヤムさんとピスティさんが、シャルさんを指差してそういった。それに怒ったシャルさんは2人に怒鳴り、追いかけていってしまった。一方、ジュダルは、私の体なんて気にせずに、暑いといって服を脱ぎ始めた。え、え?!


「え、ちょ、ジュダルやめてよ!」
「…なっ?!ジュダル脱ぐな!それはナマエの体だ!脱ぐと…」
「あ?んだよシンドバッド、お前の国が暑すぎんのがわりぃんだよ、あーあっつ」
「き、貴様…!ナマエさんの体でなんということを…コロス」
「ああああジャーファルさんそれ私!私の体ですから!やめたげてよぉ!」


暗器を構え始めたジャーファルさんを必死で止める。私の体が八つ裂きになるのは大変よろしくない。ジュダルもなんかやる気のようで、懐から杖を出し、構え始めた(お前魔法使えないんじゃなかったけ!?)

シン様が2人の止めに入る。しかし。


「シン様…!わ、私今までお稽古頑張ったんです…!だから、見てくれますか…っ?」
「ぐっ…ナマエ」
「惑わされないでくださいシン!そいつはジュダルです!ナマエさんでは…っ!」
「ジャーファルさん…私、ジャーファルさんとお手合わせしたいんです…!」
「なっ…!!ナマエさん…!!」


完全にジュダルのペースに飲まれている。というより稽古をつけてもらっていることを何故ジュダルが知ってるの。


「マスルールさん、どうしましょうか…」
「…ジャーファルさんは俺が止めるんで、ナマエさんはジュダルとシンドバッド王をお願いします」


だめだ、この先のみんなと私の体が心配だ。

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