「よぉナマエ、遊びにきてやったぜ」
「…ジュダル…」


煌帝国の神官様は、今日も暇をもてあまして私のいるシンドリアの王宮へやってきた。


「何しにきたの、ホントに朝から鬱陶しいんだけど」
「好んでこんなとこまで来ねぇって。ただの暇つぶし」


暇だったら、いちいちここに来なくてもいいのに、なんて思っていると、ジュダルは何の躊躇いもなしに私の部屋に入ってくるや否や、そのまま机に置いてあった私の朝食を食べ始めた。


「ちょ、何勝手に他人の朝ごはん食べてるの」
「腹が減ってんだよ」
「そんなの私のしったことじゃないわ」


さっさと返しなさい。ジュダルからフォークと朝食を取り上げ、食べられる前に食べることに。うん、今日のごはんもやっぱりおいしい。


「あーあ、暇だなぁ」
「暇なら紅玉ちゃんと遊べばいいじゃない」
「はぁ?!あんなババァと遊べるかよ」


ババァとは失礼な。あんな可愛らしい子をババァ呼ばわりするジュダルはどうやら頭がおかしいらしい。あ、元から変なヤツか。


「どのみち、早く帰らないとジャーファルさん来ちゃうからね」
「…げ」
「ね?」


なんて話しているときだった。


「ナマエさん、」


ドアの向こうから軽いノック音と、私を呼ぶ優しい声が聞こえた。この声はジャーファルさんだ。


「…タイミングの言いヤツだな」
「どどどどうしよう…!と、兎に角…早く隠れないと…!!」


咄嗟にジュダルをベッドに追いやった。そう、そこまでは良かったのだ。そこまでは。


「早くこれをかぶってうあ、」


シーツをジュダルにかぶせようとしたとき、私はシーツの裾を踏んでしまい、グラっとバランスを崩してしまった。そのまま私の身体はジュダルの方へ。


「っぃだッ」
「う゛ぁ」


ジュダルの頭とぶつかってしまった。石とぶつかったような激しい痛みが私を襲う。多分、ジュダルも相当痛いと思う。


「ナマエさん?!は、入りますよ!」


勢いよく扉が開き、中に人が入ってきた。


「いったた…あはは、ジャーファルさん………ん?」


おかしい。


「あーあーあー…」


自分の声がおかしいのだ。そう、自分の発している声はジュダルのような声。そして目の前には私。


「いってぇなぁナマエ…」


私ではない口調で話す私は、頭をさすりながら起き上がった。


「…あ?何で俺が2人もいるんだよ」
「それはこっちの台詞よ!」
「え、お前誰」
「ナマエだけど、え、まさかジュダル…」
「どういうことだよ」



どうしてこうなった。





(すみません、ちょっといいですか(((ゴゴゴゴ…)
(じゃ、ジャーファルさんが怒っていらっしゃる…)


*何番煎じネタサーセン…やってみたかっただけです…ハハ*



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