「八田…八田…」
ふと、名前が俺の名前を呟き始めた。
「な、何だよいきなり」
「いや、ね。八田君のいいアダ名ないかなぁってさ」
「アダ名?」
何をしているのかと思いきやそんなことか。名前はうーんと首を傾げながら必死に俺のアダ名を考える。
ちなみに、ここで俺が別にアダ名なんていらねぇよと本心を口にすると、名前が機嫌を損ねてしまうのはわかっているから、何も言わないでおく。
「八田…やた…八田やん!なんてどうかな?」
「…は?」
そう来たか。そのアダ名がよほど気に入ったのか、名前は八田やん八田やんと俺の名前を連呼し始めた。
「やたやーん!」
「…何だよ」
「やたやん好き好き大好きーっ」
「…はいはい」
まぁ可愛いから許す。
(お、八田やんおはよー)
(…草薙さん何しれっと使ってるんですかそのアダ名)
(えー。いいと思うでー、そのアダ名)
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