烏が死んだ





 ターン、と火薬の破裂音が木々を揺らした。少し離れたところで数羽の鳥が羽ばたいていく。そこからしばらくすると、片手で数羽の鳥を掴んでいる尾形さんが戻ってきた。

「鳥、捕まえるのがお上手ですね」
「そうだな」
「よく狩りをされていたんですか?」
「そうだな」
「……会話、したくないのですね」
「そうだな」

 尾形さんは淡々と鳥を並べて、飯にするから手伝え、と羽をむしり始めた。なんでこんな人と一緒にいるのだろう、と寂しくなったけれど、その気持ちと向き合うには私もお腹が空いているから、大人しく鳥の死骸を握った。羽をむしるとき、口の奥から何かが吐き出てきそうな気分になった。