幸せになろう





「ねーちゃん俺と結婚しねぇ?」
「脈絡もなく言うことなのそれ」
「そうだけどよー」
「あんたらしくないじゃない」
「俺だって人生賭けた一大決心を告白するときは緊張するんだぜ」
「見た目はそれ程緊張してるようには見えないけどね」
「出来るイケメンはポーカーフェイスだって得意なんだぜ」
「あっそう」
「反応薄くて寂しい」
「一大決心の告白の後じゃどんな冗談も滑るだけじゃないの」
「ごもっとも」
「でもすごく嬉しいよ。ありがとう」
「あっ、ちなみにさっき出しそびれたけどちゃんと指輪も買ってあるんだぜ」
「あんたって本当何かとずるいよね」
「お褒めに預かり光栄です。ほら左手出して」
「ん」
「ほーらピッタリ。で、お返事は?」
「……喜んで、お受けします」
「サンキュー。ねーちゃん好きだぜ」
「そこは名前で呼んでほしい、かな」
「……じゃあもう一回。好きだぜミサキちゃん」
「……うん。私も、好きだよ、タイシ」
「はははっ、ねーちゃん顔がトマトみてぇ」
「うるさいっ」
「いてっ」