「謙也さん、声でかいっすわ」
「なんや久しぶりで変な感じするな!」

ピアスイケメンくんもとい財前くんは見た目よりは普通の男の子っぽい。
ピアス五個もついてるけど。

「あ、せや。こいつ一年の時から仲ええ名前」
「えっと、苗字名前言います。よろしく」
「財前光です、よろしくお願いします。」


挨拶とかちゃんとしてるし好青年じゃないか。話ぶりを見てると少し毒舌っぽいけれど。……なんか謙也と話してると漫才みたいやな。

「ひかる!」

謙也と財前くんが漫才を繰り広げている中、可愛らしくこっちに走ってくるほわほわした女の子。

「彼女さん?」
「いや、ちゃいますよ。中学の時のマネージャーっすわ。」

その言葉を聞いて、マネージャーちゃんが一瞬悲しそうな顔をしたから、財前くんのこと好きなんやろうなってなんとなく察した。

「渡辺ななです!」
「苗字名前です」
「名前先輩って呼ばせて貰ってもええですか?」
「あ、うん。もちろん」
「やった!」
「で、なんか俺に用あったんちゃうん?」
「あ!そうやった」

最近の女の子はいい意味で積極的やな……。私なんか入学式の日緊張しすぎて変になってたのに。先輩に話しかけれる今時の子の社交性が怖い...。


「あーすんません。謙也さん、苗字先輩なんや行かなあかんらしくて」
「おぉそうか、長い間悪かったな」
「いや、 部長とかにも会いたいしまた会いに行きますわ」
「おん、白石にも伝えとく」
「じゃあ、」
「忍足先輩、名前先輩、また!」
「またね」


二人が去っていったのを見届けてから謙也と私も教室に戻った。
白石に荷物あるのに居らへんから心配したんやでって怒られるまで白石のことを完全に忘れてたってことは心に秘めておこう。
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