私が大阪に引っ越して来たのは高校に上がる前。
お父さんの仕事の都合なんていう漫画の中かと思うくらいテンプレな理由での引っ越しだったけれど、高校の方は無事に合格していたし、思っていたよりはすんなりとしたものだった。


「でもあの時の名前めっちゃガッチガチやったよなぁ」
「しょうがないじゃんか、緊張してたんだよ」


まあ、そんなド緊張していた私に一番最初に話しかけてくれたのは隣の席にいた白石だった。
『名前なんていうん?』そんなありきたりな台詞だったけれどその時の私からしたら結構助けられたりもしたから感謝はしてる。


「あ〜〜でももう一年経つのかぁ」
「せやなぁ、もう俺らも高2やで?」
「信じられへん」


あの不安一杯の入学式から一年間、白石と友達になって、そこから謙也とか他のテニス部のメンバーなんかとも知り合って、女の子の友達も出来たし順風満帆な一年やったなぁなんて思う。


「今年もクラス一緒やとええな」
「うん、一緒なことを祈っとく。」
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