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初めて君がここに来た時のこと、覚えてる?

私は、覚えてる。

ついさっき起きたことのように。

だって、君、空から降って来たんだよ?
そうして私が「もしもーし」って声を掛けたら、

『君、天使…?』

何て言うんだもん。


I'm here.


(――あっ!?)

ザックスの無事を願い、もう日課になってしまったお祈りの最中。


"彼"がいなくなる、感じがした。


分かりたくなかったし、分からないようにしてた。
でも、この"力"がある限り、絶対にわかってしまう。

(それが、私の、宿命)

それでも、悲しくて 哀しくて。

涙がとまらなくなる。


どうして いっちゃったの?
私の希望、叶えてくれるって
会いに来てくれるって
―――約束、したのに。


まだ、花売りワゴン直してないのに。

どんなに想っていても、彼はもどらない。
そんなことに気づいたのは、それからどのくらい後だったろう?




でも、今。

君らしく、急ぎすぎた死。

やっぱり まだ ショックだけど。

前よりは、受け入れられるよ。


88通の手紙は、届かなかったかな?
89通目の手紙、あの子に託した手紙、
ちゃんと、届いたかな?

それを知る手立てはないけど。


大丈夫。

今は そう 思えるんだ。


どんなに君に怒っても、
結局私は許しちゃったよね。

でも、約束果たしてくれないこと、まだ怒ってるからね?


ザックスの、ばか。


ありがとう。


早く果たしに来てください。


待ってるから。


大丈夫。



私は、ここにいる。





End.

__






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