Short Story | ナノ





最初は、何でこんなに無口なんだろう?って不思議だった。
いつだって人を寄せ付けない雰囲気で。
何考えてるんだろう?そうは思っても、赤の他人に話しかける勇気なんてなくて、次第にそんな思考も多忙な生活に飲み込まれていった。





春は気分がいい。
冬の寒さから解放されて、蕾は花になり、生命は輝きを取り戻す。
北国育ちだからか。春はなんとも感慨深いものがある。
だから、気持ちが良かった。

昼過ぎのカフェテリア。ここは静かで、いつもうるさいあいつが行く場所としてはとても好ましい。日だまりでお茶をするのが2人の日課だった。

「来週の土曜に友達のライブあるんたけどクラウドも行かねぇ?」

「来週…特に用事ないし、いいよ」

何となく。本当に何となく。普段なら断るような誘いもOKしてしまった(まぁ、ザックスだったからってのもあるんだけど)。

「知り合いって誰?」

「ん、同郷のやつ。神羅に務めてるわけじゃねーし、クラウドは知らないだろうな…。」

「ふーん…。」

そこまで興味があるわけでもないので軽く聞き流し、窓の外の花を眺める。

あ、けど!
そのバンド、1人だけ新羅の奴がいたな────。







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