ミルキーウェイを渡って

ゆらりゆらりと揺れるその緑を手に取って、自分の身長で届く一番高い所にその紙をくくりつけた。

「よし、」

赤、青、黄色。様々な色の短冊が竹の緑に映えて、とても綺麗だ。
そう。今日は七夕である。

「つけたのか」
「うん!真ちゃんは?」
「俺は今からだ」

真ちゃんは、お願いごとを書くのにすごく時間がかかっていた。お願いごとが多すぎて選べないんじゃなくて、お願いごとが思い付かないらしい。
「お願いごとをしている暇があったら自分の人事で叶えるのだよ」
だって。さすが、エース様は違うねえ。

「結局なんて書いたの?」
「…『無病息災』」
「ブハッ!!なんでだよ!!」
「人間健康が一番だからな」

俺の短冊より、もっと上。真ちゃんは、高すぎてあまり短冊のかかっていない所に自分の短冊を吊るした。
ふいに、一つの短冊を手に取り、それを凝視する。俺のだ。

「…これは……」
「俺のお願いごと。健気っしょ?」

そう言ってイタズラっぽく笑うと、真ちゃんも優しく笑い返してくれた。

「この願いは、俺が叶えてやるのだよ」
「お。かっこいーねー、うちの彦星様は」










(真ちゃんとずっと一緒にいられますよーに!)










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七夕のお話。ベタ好きです。
高尾100%様に提出











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