一生の不覚なのだよ!
2013/11/30 00:20
その数字は中学以来久しぶりに見た数字で、かつ高校では見ることのないと思っていた数字だった。
人生の中で、勉学に至っては赤司にしか負けたことが無かった。それなのに、何故。
ふいに、高尾が振り返った。返された成績表を口元に当て、嫌らしい笑みを浮かべている。次に出てくる話題なんて、想像する必要もないくらいに顔に出ていた。
「ねーえ真ちゃん、今回学年順位何位だった〜?」
「くっ…」
「まあね〜?実は俺、一回位ならいけんじゃねーかって思ってさ、ばれないように必死に勉強してたのよね。いつもより勉強時間増やしたし〜?ま、これが人事を尽くすって事なのだよ、真ちゃん」
そう、今回俺は、高校に入って初めて学年首席の座から落とされた。そして、そこに座ったのは誰かというと、言うまでもなく、全身で優越感を表現している高尾である。
今までは俺が首席、高尾が次席のパターンを守ってきたのに、緑間真太郎、一生の不覚だ。
「おっ…お前、何点だ!総合点!」
「ん〜?992点」
「なっ…」
「真ちゃんは?」
「……………991点………」
「うひー、あっぶね、一点差かよ!さすがエース様だよな〜」
「この…この俺が高尾に…」
あの数学のケアレスミスがなければ。日本史の時間内にあの遺跡の名前を思い出せていれば。たかが一点。されど一点。一点にここまで苦しめられるとは…
「…………………帰る」
「えっ」
「帰る!帰って勉強するのだよ!今日は部活も休みだ、徹底的にやり直しと復習をやるのだよ!」
「いや…ちょ、真ちゃん」
「覚えていろよ、高尾!今回は俺の怠慢でお前が首席を取れたかもしれんが、次はお前がこの先どう頑張っても一生俺に敵わないんだということを嫌というほど思い知らせてやるからな!」
バックとラッキーアイテムをひっつかんで教室を出る。そういえば、今日の蟹座は7位だった。何が7位だ、最下位並の最悪な日なのだよ!
全く………本当に、一生の不覚なのだよ!!!
「……いや、本気出されたらマジ勝ち目とかねえから…」
(実は死ぬ気でやったのに緑間サンに一点差しかつけられなかったのが地味にショックだった高尾くん)
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ハチ姉と勉学でワンツーフィニッシュする文武両道チャリア素敵、という話になったので。
このまま真ちゃんは死ぬまで根に持ってしつこい男となる(笑)
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