神様の言うことには、
2013/11/25 00:28
土曜日の昼下がり。
特にすることもない、暇な時間。緑間は窓辺で読書をし、それに寄り添うように高尾が横で緑間に体を預け、目を瞑っていた。
「………ねえ真ちゃん」
「…起きてたのか」
「ん…ちょっと寝てたけど。…あのさ、もしもね、目の前に神様がやってきて、」
「いきなり何の話だ」
「いーじゃん、聞いてよ。でね、こう言うの。『君は明日、事故にあいます。そして、両腕が使い物にならなくなってしまいます。』」
「胸くそ悪い神様だな」
「そーだね。でもね、『しかし、君が望むのなら、明日から君の恋人がこの世界から消え去ってしまう運命に、書き換えてあげてもいいですよ』って言うの。―――真ちゃんだったら、どうする?」
「………一体どうしたんだ」
「そういう夢を見たから」
そう高尾が言うと、緑間は少し黙った。本から顔を上げ、ぼんやりしている。「……真ちゃん?」と高尾が目を開け、緑間の顔を覗きこむと、緑間は何の前触れもなく高尾に口付けた。
「ン…なに?」
「いや…俺なら、どっちも諦めないぞ」
「え…でも、」
「常日頃人事を尽くしている俺がそんな究極の選択を迫られるはずがないだろう。その神様をタコ殴りにしてでもどちらも失わない方法を手に入れてやるのだよ」
「やだ暴力的」
ふっ、と高尾の顔に笑みが浮かぶ。どちらともなく、二人の唇が再び重なった。
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何が書きたかったの?って言われると、逆に何だと思う?って聞き返すと思う(訳:何が書きたかったか自分でも分からない)
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