いきなりどうしたの?って月子は驚くけど、いきなりなんかじゃない。考えてみたら俺からばかりで、月子からキスしてもらった事無いなって考えてたんだ。
やっぱり好きな子にはキスしたいけど、やっぱりたまにはされたいよ。
「俺にキスするの嫌なのか?」
「嫌なわけじゃないの…ただ…。」
恥ずかしいし、一度も自分からなんてしたことないからどうしていいのか分からないって。可愛い悩みだけど、頑張って欲しいな。
「俺がいつもしてるみたいにすればいいんだぞ!」
「う…ん。分かった。」
でもやっぱり恥ずかしいから目をつぶっていて?なんて、ぬぬ……そんな可愛いお願いされたら聞くしかないじゃんか。
言われた通りに目をつぶると、唇にやさしい吐息が触れた。君が困ってるのが目を閉じていても分かってしまう。
ぬー。でもこの距離でおあずけは反則だぞ!耐え切れなくて薄く目を開けたら「見ちゃだめ」って。君の細く柔らかい手が俺の目を塞いだのと同時に唇に柔らかいものが触れた。俺がいつもするように舌を進入させようと歯列をなぞられる。
君の行為がたどたどしくてもう少し意地悪したくなったけどやめて口を開くと、恐る恐るといった感じで舌を一度絡め、離れた。
「…これで……良いの?」
「うん。…月子、我が儘聞いてくれてありがとな!」
お互い金平糖を食べていたせいなのか、それとも月子からしてもらったキスだったからか、そのキスは普段の何倍も甘い味がした。
本当はもう一回!って言いたかったけど、耳まで真っ赤にして、いっぱいいっぱいな月子に降参。
なぁ、君の1番は俺で良いんだよな?君は誰にでも優しいから、誰かに突然取られちゃうんじゃないかって凄く不安なんだ。
だからこうやって発明品を利用して俺だけを見ていてくれるようにする。子供っぽいのは分かってる。けど、そうでもしないと君が離れていきそうで怖いんだ。
こんなに他人の事が気になったのは初めてで、人を好きになったのも初めてで。彼氏という立場になってからは余計に君との距離をどうしていいのか分からない。
なあ月子。ずっと俺から離れないで?
お粗末様でした。
素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!
莉磨
10年01月19日
君色シンドローム様へ提出