家族日和と思いません?4

再び二人でシーツの海に沈みこみながらレイアはアルヴィンに告げた。

「ねぇ、アルヴィン。私の夢、知ってる?」

「知ってるよ」

「言ってみて」

「『幸せな家庭を築く事』」

「正解!」

だから何も躊躇う必要も、遠慮する必要もないんだよって微笑って
レイアはアルヴィンの額に口付けた。

「じゃあ、もう遠慮もしないし、我慢もしねーからな」

覚悟しろよ、そう言って彼女を抱き寄せれば

「望むところだよ。改めて、これからよろしくね!アルヴィン君」

初めて会った日と同じ顔をしてみせた。



そして、アルヴィンの耳元で囁いた。

三日間離れているだけで寂しかった事。
その時にもし、二人の間に子供がいたらと考えた事。
想像の中でもアルヴィンの子供はとても可愛かったから、きっと本物はもっと可愛いよ、と。


「マジで、お前さんには敵わないわ。ホント」

この腕の中にあるのは、自分よりも随分小さい癖に、絶対に自分が敵わない強さと優しさを秘めた存在。


アルヴィンの幸せの素。


少しずつまどろむ意識の中で、

「近いうちにル・ロンドに行くか。結婚するって報告に」

それから今度結婚指輪を探しておくよ、と告げれば
彼の幸せの素は嬉しそうに微笑んでぴったりと寄り添ってきた。


混ざり合う体温の心地よさで二人はそのまま眠りに落ちていく。


外はもう太陽が昇り始めているけれど
ここはオレンジベージュの帳に包まれた安眠の空間…。

目が覚めるまでの一時、静寂が訪れた。
















レイアは目覚めて開口一番こう言った。

「ねー、ご飯食べに連れてってくれるんでしょ?」

「お前さん、飯の話覚えてたのか」

「とーぜん!!何処に連れていってくれるの?楽しみーもう、お腹ペコペコだもん」

「わかったよ。じゃーさっさと準備して出かけるか」

「うん!!」


幸せが溢れ広がった。
ああ 今日はなんて素敵な家族日和。




END

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