〜むくろ君編〜
拍手ありがとうございます!今回の拍手はチビキャラシリーズ第二弾!
お相手は、リクエストよりナッポ―ことむくろさんです!
それではどうぞ!
※この話は、本編の番外編だとかそういうものではございませぬ。完璧に捏造の世界で繰り広げられる物語になります(五歳なのに何故か骸日本にいるけど気にしない気にしない)
いつも通りの帰り道。キラキラと太陽が輝いているがそれがうっとうしくて仕方ない。
何故なら今から私は地獄への扉をあけ放とうとしているのだからそれなのにキラキラと輝いているのはあれか?イジメか?そうなのか?
そんなことを考えつつも重くなる足を必死に動かして、家の扉をあけ放つ。
いつもなら、お母さんがおかえりっていってくれるはずなんだ。いや、おかえりとは言ってくれないな。開口一番つまみぐいするなっていわれるな。
いやいや、そうじゃなくて。
「ただいまー」
「おや、かえったんですか」
はい居た―夢じゃなかったー
いや、一瞬期待したんだけれどもね。もしかして昨日のあれは全て夢で家帰ったら平和な毎日が待ってるんじゃないかと期待しなかったと言ったらうそになるけどもね。
何故このガキンチョが私の家にいるかって?
それはね、何故か昨日家に帰ったらいたからだよ。
お母さんに頼んで警察にでも連れて言って貰おうかと思ったらタイミングを見計らったかのようにあろうことかお父さんとお母さんは旅行に出かけていて。
仕方ないから自分で連れて行こうとこのガキンチョに話しかけた途端、心を読まれたかのように「いやです」と即答された。
かと言って追い出すわけにもいかず今に至るという訳である。
「あのね、君は私を不審者にしたいの?見ず知らずの子どもを家に置いてるなんて不審者のすることだよ?」
「たとえぼくがいなかったとしてもきみはふしんしゃとたいしてかわりませんからだいじょうぶです」
「平仮名だけで喋るな読みにくい!!」
本当に何なんだこの子ども。しかもなぜ敬語なんだ。大人か。大人になりたいのか君は。
しかも妙に雰囲気落ち着いてるしな。
はっ、もしや…!
「あれなのか!?ガキンチョ!きみは体は子ども頭脳は大人の名探偵なあれなのか!?」
「いみのわからないことをいわないでください。だいたいぼくはがきんちょじゃありません、ろくどうむくろです」
「それくらいしっとるわボケェ」
「だったらあなたはひとのなまえさえまともにいえないばかなんですね」
ぐっ、と拳を握りしめ思わず殴りたくなった衝動を抑える。ダメだぞ!こんなところで傷害事件を起こしたら人生も全部終りだぞ!!
「そんなことよりぼくはおなかがすきました。はやくなにかつくりなさい」
「あん?」
ギリギリと拳を握りしめていたから気づかなかったがいつのまにか骸君が私の足元に移動して、くいくいと私の服の裾を引っ張っていた。
「かっ!!」
「か?」
可愛い!!と叫びそうになったのを必死に我慢する。ダメだ。騙されるな!
これはまやかしだ!そうだまやかしであってまぼろしなんだ!
「なにへんなかおしてるんですか。はやくしてください」
「お前そんな生意気言ってるとご飯作ってやんないぞ!」
「そ、それはだめです!!」
だったら大人しくしてなさい!というとしかたありませんね、といって私のおなかのあたりに頭突きを一発くらわせてソファーの方へとたとたと走って行った。
いや、走っていくのは可愛かったんだけれどもさ。
頭突きいてぇなオイ。
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