出会い




朝、そう朝。

すがすがしすぎるほどの陽気。舞い散る花粉。あ、違う。舞い散る桜。

さんさんと輝く太陽。


そして、今日私はこの並盛中学校に入学するのです。




「っかぁあああああ!!入学式ねむぅううううう!!」




あ、周りから視線が突き刺さってくるよ。痛いよ。痛いよママ!!なんて寸劇は置いといて。


本当にねむい。死んでしまうな。とか何とか思いながら家に帰ろうとしたらガシッと肩を掴まれた。

わぁお嫌なよかーん!!


恐る恐る後ろを振り返ってみると全身黒ずくめの学ラン男がミーのか細い肩を掴んでいるではありませぬか。





「なななな何奴ぅううう!!!」





思わず身構えると学ラン君が目を細める。そそそそそそんな怖い顔したって怖くないんだからな!!





「久しぶり」



「あん?」




ママ助けてー新手のナンパだよーへるぷ、へるぷみー





「…覚えてないの?」





そういう学ラン男はどこか悲しそう…でもないな。怒ってるな。完璧に怒りMAXだな。





「モウシワケナイ。ミーハジュウダイナジコニアッテキオクソウシツナノダヨ!!!」




「くだらない冗談はいいから」




「うわぁあああん!くだらないって言われたー!精一杯考えた言い訳を下らないって言われた―――!!」




「言い訳だったんだね」




「ありゃりゃ、バレちまったぜ」




「君、今日から風紀委員だから」





「え、ちょっと待ってよ君。もうちょっとさ話にまとまりを持たせよ?言葉のデットボールだよ!!」





「デットボールは違う。本当に覚えてないんだね」







だからおにーさんみたいな悪の組織の親玉の象徴みたいな人に知り合いいませんがなー





「ん?待て待て待て。その前髪どっかで見たことあるぞーー?」



そう、言葉では説明しにくい何ていうのこうシャキーンみたいな髪型ね。うん。






「あぁ!小さいころ遊んでやってた近所の悪がきにそっくり!!アダダダダダダダダ!!!」






なんか殴られました。


イタイ。痛い。



この黒ずくめ男があの小っちゃい子だったっていうのを知るまであと少し………











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