可愛いは正義
「副長、連れてきました」
そう言って、斎藤さんが連れてきたのはなんともまぁ可愛らしい女の子。……何で袴なんてはいてるんだろこの子は。
「オイこら土方ー!!!こんな可愛い女の子に男装させるたぁどういう了見じゃテメェ!!」
「お前は一々うるせぇんだよ!」
「怒られた。ちょっとふざけただけなのに。ちょっとやってみたかっただけなのに」
もういいよ。もういいよと部屋の隅でうじうじポーズ。のの字とかも書いちゃうよ!周りはきっと素敵な縦線がいっぱいだよ!
「雪村、こいつに服の着方教えてやってくれ」
「あ、はい!…え?」
「ちょ、土方さん!!そういう言い方することないでしょ!!それじゃ私が服着れない頭お花畑な子だと思われちゃうじゃないですか!!」
すくっと立ち上がりうじうじポーズから早速回復した私は土方さんに怒鳴る。
って、あれ?今土方さん雪村って言った?
「え、もしかして貴方様が雪村様?」
「さ、さま?私は雪村ですけど……」
「おいおい土方。村つれてくるなんて何たいそうな嘘ついてんだよ。でもまぁ、来たのが可愛い子だから許す!」
「お前が勝手に勘違いしたんだろ!!」
「ちょ、何怒鳴ってるんですか!大体ね、女子同士っていうのは第一印象が大事なんですよ!最初に行ってくださいよ!私が変な子って思われたらどうするんですか!」
「大丈夫、悠ちゃんの頭がおかしいことくらいみんなわかってるから」
「え、ちょっと沖田さん何言っちゃってんの?素晴らしい笑顔で何言っちゃってんの?怒るよ?悠ちゃんの大空より広い心でもこれはさすがに怒っちゃうよ?」
「総司、そんな本当のことを言ってやるな」
「あはは、ごめんね悠ちゃん」
「いや、斎藤さんも斎藤さんだからね!?傷口抉って塩ぶちまけてるようなもんだからね!?」
「テメェら………」
「およよ、土方さんが起こってるよ。何で?」
「僕たちがうるさいからじゃないかな。ねぇ一君」
「何故俺に同意を求める!」
「テメェらはいい加減静かにしやがれ!!黒葉はさっさと着替えてこい!!」「うぎゃ!そんなマジで怒鳴らなくたっていいじゃないか!!」
千鶴ちゃんいこーと言って部屋を出る。あ、ちなみにさっき名前教えてもらった。
にしても何なんだ、この子は。ダダ漏れじゃねぇか。男装(?)をしてるのに乙女オーラ全開じゃねぇか。ヤベェ。
勝てる気がしない。
「いや、そもそも千鶴ちゃんに勝とうっていうのが間違いか…」
「悠ちゃん?どうかした?」
「んにゃなんでもー」
着替えてる間に仲良くなった二人
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