ちょっとした勘違い
「1年生な頃の祐希くんと要くんって、どんな感じだったんですか?」





春の質問。





『今とあんまり変ってないと思うよ〜。
要くんは頭良かったし、祐希くんは相変わらず女の子にモテてたし』


「こんなののどこがいいんだか……」


「かおり先生一筋の要には祐希の魅力が分からないんだよ」


「うるせえ!」


『かおり先生?』






6人のなかで唯一事情を知らない優佳は首をかしげる。






「かおり先生って言うのは、要っちが幼少期に」


「子ざる。それ以上言ったら殴るぞ」


「………告白された先生」






ぎりぎりで結構な爆弾発言をして回避をする千鶴。







『先生に、って要くんモテたんだね〜』





天然なのか気づかない優佳。




そんな会話をしていると、また屋上のドアが開く音が
聞こえた。






「あ、茉咲ちゃん」





今度の屋上の来客は茉咲だった。


ノートと筆箱を持っているところを見ると、春に勉強を
教わりにきたのだろう。


そしてその茉咲はというと、いつもはいない優佳を見て慌てている。
というか、見知らぬ女が春と仲良く話していたので焦っている。




「しゅ、春ちゃん!この人誰!?」



「僕と同じクラスの清水優佳さんです。
屋上で偶然会ったんですよ」




茉咲は青ざめた顔で優佳を見て




(・・・勝ってる部分が1つもない!!)




と勝手に落ち込んでから、優佳に警戒心をむき出しにしていた。



そんな茉咲に優佳は気づかずに





『さっきも松岡くんが紹介してくれたけど、私は2年5組の
清水優佳。よろしくね。
えーーっと』



「・・・1年2組。佐藤茉咲」



『佐藤さん、ね』


「はぁ・・・」




年下でもちゃん付せず、同じ目線で話してくれる優佳に
少し警戒心が解ける。



なんせ背が小さい事で、いきなり上から目線でこられた事も
少なくないからだ。






『あ、ここどうぞ』





優佳は春から離れ、春の隣に座れる1人分のスペースを
あける。


茉咲の、春への恋心にもう気づいているのかもしれない。






「あ・・・どうも」



大人しく茉咲は座る。




(いい人、なのかしら・・・)





警戒心を徐々に解く茉咲。



そんな様子を見て驚く要達。






《すごいな・・・。あいつの警戒心をすぐに解かすなんて》


《ねー》


《・・・》





自分もそういえば彼女には警戒心とかそういうものが
わかなかったな、と悠太は思った。



そういう、あるいみ才能があるのかもしれない。





(珍しかったから、ずっと見ていてい気持ちになっただけかな)






いつのまにか警戒心を解いて笑顔になった茉咲と話している優佳を見て



そんなふうに、ちょっと違う答えを悠太は出していた。

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