そんな中でも





私は、3月の31日の誕生日に銀魂の世界に行きたい、と願った。その願いは一度トイレに流されてしまったと思いきや、扉を開けるなり私は万事屋にいた。その後何やかんやで気を失い、何やかんやで、万事屋に"依頼"という形で居候させてもらうことを願い出たのだった。


「これなんの解説?」
『いや、こういうの一度したかったから。』
「んなことどーでもいいわァァァァ!!」
「てゆうか、途中から何やかんや、ばっかりでよく分からないアルよ。」
『いや〜なんかめんどくさくなっちゃって。』

「ぃや、てかさ...。」

「ダメアルよ。こういうのは新八の役目アル。新八はこれくらいしか出来ないからやらせてあげないと可哀想アル。」
『あ、そーだったね。』

「あ、あのぉ皆さん?」

「二人とも僕のことバカにしてんの!?」
「『え、そーだけど。』」
「なんでハモっちゃうのォォ!てか神楽ちゃん標準語になってるしィィィィ!!!」

「おいィィィィ!!!いい加減俺の話聞けやァァ!!いつまで無視してりゃー気がすむんだ!」

ダンッと机を叩きながら立ち上がる銀さん。
『あれ、いたんだ銀さん。』
私が冗談めかして言うとさらに大きな声で怒鳴り始める。一度で良いから銀さんをいじってみたかっただけだというのに。

「最初からいるわァァ!!!!いい加減俺の話きこう!?俺主人公だから!!」
「確かにそうかもしれないけど、今の中心は銀ちゃんじゃないアル。」
「ヤバイよ。この二人Sだよ。」

何言ってんだこいつ、という表情で銀さんを見る神楽ちゃん。それをみて呆れたような怯えたようなな顔で反応する新八。

『ぷっ、あははは。』

そんな景色を見てると自然と笑いが溢れた。そんな私をみて途端にみんな静かになりこっちを見る。
「笑ったアルな。」
「笑いましたね。」

「あー、でよォオマエなんでそんな依頼すんだよ。」
銀さんが頭をかきながら本題に入ろうとする。
『えっと.....その、ずっと。』
「ずっと。」
『.......尊敬してたから。』

「そ、尊敬ですか!?もしかして銀さんに?」
「なんでそんな、ありえないって顔してんだ新八ィ。」
『う.....うん。』
半分嘘で半分本当のこと。

漫画で読んでいた時から銀さん達のことは尊敬していた。だが、だからこの万事屋に来たわけではない。来てしまったのだ、ココに。この世界に。
とりあえず今はどうやって帰れるか分かるまで、住処を見つけなければならない。

「つってもよ、俺んち万事屋にガキ二人も居候させられるような金がねぇんだわ。」
「銀ちゃん、いいじゃないアルか!私、この子と仲良くなりたいアルよ。」

銀さんにすがるような態度でお願いをする神楽ちゃん。素直に嬉しかった。
「だがよそれによ〜まだ神楽は14歳っていう出るとこも出てねぇガキだがよォ、オメェは出るとこが....まぁちょい出てるような奴だしよォ、健全な生活をしておくるためにはココにいないほうが、ぶへっ!!!!」
「なにが出るとこも出てないアルか!このセクハラ天パ!!」

夜兎族の神楽ちゃんのパンチがとんだ。
殴られた本人はソファーの上で痛そうに真っ赤な頬を擦っている。だが止めようもない。確かに今の表現は恥ずかしい。

「ったく、神楽殴ってくんな!....とにかくよーまぁさっき言った通り金がねぇんだ。
悪りぃが他当たってくんねぇか。」
万事屋にお金がない事くらいよく知っている。そんなこと承知の上で依頼しているのだ。

となると..........

仕方ない。あの手でいくか。ちょっと汚い気もするし、めちゃくちゃ恥ずかしいが、これしかない。
私は決心しわざと大きな声で言った。
『あれ?でも銀さん昨日の夜、あんなに激しく打ち付けてきたよね?しかも大きな声だしちゃって....神楽ちゃんが寝てるっていうのにさぁ。』

「......え?」

『銀さんがどうしてもって、土下座までしてくるから突き合って(付き合って)あげたのにぃ激しくしたからもう全身が痛いんだけどぉ。』

自分の身を抱き込むようなポーズをし、体をくねくねさせ恥じるような顔で銀さんを見る。
「ちょっ待て!んな誤解を生むような言い方すんなっ...」

「銀ちゃーん、」
「銀さん....、」

「ちょ、待ておい!だからちげぇって、」
「「黙れこの腐れ天パァァァァ!!!」」
「だから俺の話聞いてェェェ!!!!」


『てなわけで、ココに住まわせて欲しいんです。』
「......はい。」
顔がパンパンに膨れ上がったまま正座をする銀さん。ちょっとごめんなさい。

「でもいいんですか?そんなことがあった相手と一緒に住むなんて。」
さすが新八。こういう所でしっかりしているのは優しい証拠だ。

『いいんです。私にはここしか無いので。』
ニッコリと笑いながら返すと、私の言葉に変なところがあったのか、ちょっと静かになるみんな。
あ、もしかしてここしか無いっていうのが引っかかったのかな。詳しく聞かれたらどう答えよう。
そんなことに心配していると神楽ちゃんが手を握ってグイッと私に顔を近づける。

「じゃあ、これからは万事屋の一員アルな!よろしくアル!!」
とびっきりの笑顔で話してくれる神楽ちゃんに少し目が滲んだ。心配なんてする必要なんてなかったんだ。
しかも一員だなんて。一人でいろいろと背負いこんでいた私を少し軽くしてくれる。

だから私もとびっきりの笑顔で。
『うん!!よろしくね神楽ちゃん!あ、自己紹介遅れたね。私は苗字名前って言います。』
そう言い切ると自然と万事屋の三人が少しニッコリ笑った気がした。

『あとお金に関してはちょっと頼りっていうか、働きたいと思ってる場所があるからそこで働ければここに仕入れ出来るんだけど。』
「まじアルか!?どこアルか!?」
みんなの首がギュインとこっちに向く。
『えっと、それは.......。』
その後万事屋には大きな声が響き渡ったとか。

[1/2]


|

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -