お兄さんは心配症!

「はぁ……」
まだ人が少ない朝の教室で、一人の男がため息をついていた。

「マダラオ、どうしたんです?キミがため息なんて珍しい」
マダラオと呼ばれたその男はリンクの古くからの友人だ。

「最近テワクが遊べと言って来なくなった。男でもできたのではないかと心配だ…」
クラスの委員長もつとめるマダラオは、クールでかっこいいと女子からの評判も高い。ただひとつ、シスコンという点を除いては。
「何かと思えば…小学生が異性同士でそのような付き合いをするわけがないでしょう。もう兄に遊んでもらうような歳ではないということですよ。キミもそろそろ妹離れすべきでは?」
心配して損しました、と今度はリンクがため息をつき、自席に戻っていった。

そう、そのときはあまり気に止めていなかった…はずだった。








ーーーーーーー


「(おかしい………)」

リンクは悩んでいた。受験生である自分になりふり構わず遊べと要求してきたユウがここ数日やけにおとなしい。


『男でもできたのではないかと心配だ…』


先日のマダラオの言葉が浮かんでは首を横にふり否定する。
そもそもユウは男子だし、女子と遊ぶような気配は微塵もない。
…気にする必要はない……兄離れする時期であるだけなのだ………




「「おじゃましまーすっ!!」」

参考書とにらみ合いしつつ最近の弟の態度について悶々と悩んでいると、下から子供2人分の声が聞こえてきた。
この声はよく知っている………近所の悪ガキ、ラビとアレン・ウォーカーだ。どうやらユウが2人を連れて帰ってきたらしい。

ドタドタ

「まてっ!バカうさぎ!!」
「ユウのちっさいころのアルバムみっけ!」
「ちょっとそれ僕も見たいですよ!」
薄い壁越しにハイテンションの子供の声は筒抜けだ。
リンクは頭を抱えた。
「むげんばっとー!!」

「(…うるさい……)」
リンクのこめかみがピクピクしていることなんて1階で遊んでいる子供たちは知るよしもなく、声が静まる気配はない。
注意したところで時間と労力の無駄だろうと、リンクは騒音のなか再び参考書に意識を集中させようとした。



カリカリカリ…


「ユウ、将来俺のお嫁さんになってさー!」
ベキッ


子供の声はシャットアウトしていたはずなのに、ふと聞こえて来た声につい手に力を入れ、シャーペンの芯を折ってしまった。

「(いかん………集中集中……)」

カリカリカリ…


「何いってんですか神田は僕のですよ。キスも舌入れもすんでますし後ろもそのうちいただきますし?」
ボキッ


今度はシャーペン本体が折れた。


「(やはりウォーカーは危険だ…………!!!!)」
リンクの視界にもう参考書はなく、意を決したように立ち上がった。








ザッ……


「あっユウの兄ちゃん!一緒に遊ぼ…
………ヒィッっ!!!?」

カカカッ!!


めったに自分達の前に姿を表さないユウの兄を見つけてラビが人懐っこく手をふっていると、顔のすぐ横を何か鋭利なものが通りすぎた。そしてそれが壁に刺さる音がした。


「全く……キミ達は少し痛い目を見ないとわからないようですね…」

「「((ヤバい……!!目が本気(マジ)だ…………………!!!!))」」
アレンとラビは本能的に危険を察知した。

「おおおお兄さん落ち着くさ!!小学生相手に大人げないさ?!」
「そうですよ殺すならラビだけにしてください!!僕が死んだら神田が悲しむので!!」
「ええええ俺はいいんさ!?!?」

「問答無用!!秘術………縛羽!!!」


ぎゃーーー








〜〜〜〜〜〜

「それでどうして私のアトリエがこんなことになっているんだい?」
「「「すいません…………」」」

そこには父ティエドールにこってりしぼられる3人と、自分は関係ないとばかりに目をそらしているユウの姿があったとさ。


おわれ★

ーーーーーーーーーーー
1階はティエパパのアトリエという設定です。わかりにくくてすいません(><)
樋乃様、リクありがとうございました!意味不明になってしまいましたがもらっていただければ幸いです。
もちろん書き直し承りますので遠慮なくいってください!!

はるか

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