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神田ユウ。

他校よりレベルが高いと言われている女子達をさしおいて校内一と言われる美貌を持つことで有名。

性格は最悪。

無愛想かつ狂暴で、キレると手がつけられない。

おまけに頭が足りてない。


これが僕の彼に対する認識だ。要するに顔だけ人間。
頭がたりてないのと恋愛経験がないのは都合がいい。適当に騙してラビから掛け金を受け取ったら頃合いを見てスッパリ切ろう。いつもみたいに。



「神田!」
「またてめぇか。何の用だ。」
「相変わらず素っ気ないですね。用がなければ来ちゃいけませんか?」

僕を見ては眉をしかめる神田。でもそんな態度をとっていられるのも今のうちだ。

「君と一緒にいたいんです。」
そういって笑いかければ誰だって僕の手に堕ちるのに、通用しないあたりは少しは骨があるというところか。

だけど君、本当は少し意識してるでしょう?


少し先に見える勝利に、僕の唇は弧を描いた。







「君が好きです。」
『好き』。なんて便利な言葉。こんなたったひとつの言葉で人は自分が特別に思われていると勘違いしてしまう。
実際僕は今まで口説いてきた女の子達の誰一人として特別になんて思ってなかった。

「君は僕が好き?」
イエスと言えばチェックメイト。それは始まりではなく終わりを示す。


「お前は」




「お前は本気で誰かを好きになることはあるのか?」

返ってきたのは予想外の言葉。

そのとき僕は初めて彼の目をちゃんと見た。


まっすぐできれいな漆黒の瞳。


その目は僕のウソを全て見透かしていた。



ああ彼は、本気で誰かを好きになったことがあるんだ。



そのとき僕は心臓が引き絞られるような感覚を覚えた。



これは何?

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