「僕は愛情なんて知らないし、知りたいとも思わない。何故なら愛情なんていう物は弱い奴らが使う言葉で、群れなくてはやっていけない彼らが使う感情だからだ。だから僕は、」
応接室の鈍い紅色を背景に、
黒い彼はこちらを見すえそう言い切った。
「愛情なんて知らない」
「…へえ。」
対して、雲ひとつない青い空を背景に笑った、
白い翼を背に生やした少年は片頬で笑った。
「なら、俺とおんなじ、かな。」
かくして、
この惑星の片隅に、
醒めた少年と堕ちた天使が、
同じ感情を持って降り立った。
吐き出した言葉
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