06

目を開けると、全然知らない天井が見えた。どうして、ここにいるんだっけ?と思っていたら、最近聞いた初めて聞いた声が聞こえる。


「明良ちゃん、気が付いたんだね」


そう言って、あの綺麗な金髪の男の子―名前は十束多々良って言ってた気がする―が慌てた感じでお兄ちゃんを呼んでくると言って部屋から出ていった。それから少しして、お兄ちゃんがきて、心配そうな顔で大丈夫か?と聞いてきた。そして、私は何故、こうなったかを必死に考えていた。

確か、私はお兄ちゃんに連れられて、彼がよくつるんでいる人達との溜まり場みたいな場所に来て、それから、それから…

あぁ、そうか、アレは、


「私の前世…」
「ん?なんか言ったか?」
「何でもないよ。私は大丈夫」


まだ、心配そうな顔のお兄ちゃんは私にミネラルウォーターをくれた。それを私が飲むのを見たあと、彼は、明日は休日だから、今日はここに泊まってくことを教えてくれた。別に大丈夫だから帰るって言っても、聞く耳を持たないお兄ちゃん。仕方がないので。それに従うことにした。

そして、私は今までのことを全て整理をするために、また目を閉じた。



前世でここはアニメの世界。でも今はここが現実の世界。友人の薦めでアニメも小説も見たが、私や兄の存在はなかったはず。だから、異分子とも言える私がいる時点で未来を変えられる可能性は十分ある。だから、私は未来を変えてみようと思う。
だって、このままなにもしなかったら未来は異分子がいようといまいと同じ結果になる。でも異分子かいれば過程は違う。そうなれば、お兄ちゃんが死んでしまうこともありえる。それは困る。私にとって一番の理解者である兄を亡くすのは悲しい。それに―――


とりあえず、私はまず何をすべきか、流れを思い出している。始まりは十束君が誰かに殺される所からで、そこから彼がいた場所のバランスが崩れて、最終的にあの真っ赤な髪の人が―――



「明良ー?」


馴染みある声が私を呼ぶ。その声に目を開けると、寝る前に見えた知らない天井。どうやら、考えながら寝てしまったみたい。私は体を起こすと同時に今いる部屋のドアが開く。そこから、顔を出したのはお兄ちゃんだった。


「調子は?」
「ピンピンしてるよ」
「なら、朝飯を用意してもらったから食いに行くぞ」


そう言って、ドアの前で私を待つお兄ちゃん。お腹が空いているのは感じているので、ベッドから降り、彼と一緒に朝食があるという場所に向かった。

prev next

[ cover / main ]
「#寸止め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -