夏もだいぶ始まってきてる七月。クーラーがガンガンに聞いてる部屋で私はあるものに書くことについて悩んでいた。

少しクーラー効きすぎて寒いかもしれないが、消すのめんどくさいし、消したら消したでジメッとした暑さがくるから消さないでおこう。



「名前っちー」

「あ、涼太いらっしゃーい」



部屋でゴロゴロしていると、部活から帰ってきた彼氏である涼太が遊びにきた。それでも私は涼太に声だけかけて今やっていることに気をむける。あ、あれにしよう。

私は手に持っていたペンで長方形をした紙に書き込む。いたことを終わらせて涼太の方へ向いた。



「何やってたんスか?」

「今日は何の日でしょーか?」

「今日?」



涼太は今日が何の日かを考える。普通に日付がわかれば、余程イベントや記念などに疎い人間じゃなければわかるはず。それに私の家の前にはそのイベントに欠かせないものがあったので、彼はわかったのか笑顔で言う。



「わかったッス!七夕ッスね!」

「正解!」

「じゃあ、さっき書いてたのは短冊?」

「うん」



私が先程まで悩んで書いていたのは、短冊に願いを書いていた。七夕ということでそれなりに大きさがある笹を近所の方から頂いたので、飾りや短冊を作ったのだ。
涼太は何か気になるのかそわそわしながら聞いてくる。



「何を書いたんスか?」

「えー…言ったら涼太が叶えてくれる?」



その言葉に、俺が叶えられるならと返してきた彼。まぁ、正直言いますと、彼じゃないと叶えられない願いだから、ここで無理って言われたら私泣く。

私が書いた願いは―――


『涼太とずっといられますように』


それを見た彼はきょとんとした顔をした後、そんなの願わなくたってずっといるに決まってるじゃないッスか!と満面のイケメンスマイルで言われた。そんな当然のような笑顔で言われたら、私の顔はクーラーが効いているはずなのに真っ赤に茹であがるのは仕方がないよ。





title:カカリア


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