柔らかい体温
マスルールside
隣に座っている子供は、小さな口でシャリシャリと音を立てながらパパゴレッタをかじる。その横ではオラミーが更に小さい口で体と同じぐらいの果実をかじっていた。


「あの鳥さんは?」
「パパゴラスだ」
「ぱ、パパ…パパゴリラ!」


満面の笑みでパパゴラスのことを言うが、間違っているので、俺は首を振った。

「ぱ、パパ、パパゴラス!あってる?」
「あぁ」
「じゃあ、この子は?」
「オラミーだ」
「おらみー…可愛い名前だね」


へにゃっと笑いながら自分の膝に座っているオラミーに話しかける子供。それに答えているのかわからないが、返事なのかそれは鳴いた。

元々、ジャーファルさんの勉強がようやく終わって、何処かで休もうとした所にこの子供がいた。子供はパパゴラスから狙われていて、今にも泣きそうな顔をしていたから、そいつをつかみあげて助ける。
そしたらなつかれて、今に至る。

どうしてなつかれたのか考えていたら、体にたいした重さはないが重みを感じた。重さを感じた方を見るとカナンとジャーファルさん言っていた子供が、俺に寄っ掛かって寝ていた。

そのあたたかい体温と安心したような柔らかい寝顔を見ていたら、俺も眠くなり、当初の目的でもあった昼寝をすることにした。

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