創作フェイク

目が覚めてからぼくはキレイな紫色をした髪の毛のお兄さんとお話をした。名前やいくつなのか、どこに住んでいるのか色々聞かれたけど、ぼくが覚えていたのは名前だけだった。
ほかのことはみんな覚えていなくて、わからないことがこわくて泣いちゃいそうだった。でもお兄さんが大丈夫大丈夫ってゆっくり頭をなでてくれたおかげで泣かなかった。

シンドバッドっていう名前のお兄さんが何か考えているのを見て、ぼくはこれからどうなっちゃうのか分からなくて、すごく不安になった。だから、シンドバッドお兄さんの服の裾をひっぱって、ぼくはどうなっちゃうか聞いた。そしたら、お兄さんから、ぼくは今日からここに住むんだよって言われた。

そのあとお兄さんに連れられて、帽子を被ってて分かりづらいけど、薄い灰色の髪のキレイなお姉さんの元にやってきた。お兄さんがお姉さんに、ぼくがここに住むって言ったら、お姉さんは拳でお兄さんを殴った。そのときのお姉さんの顔はキレイなのに怖かった。
もしかしたら、ぼくがここに住むのがイヤなのかも。

そう思っていたら、お姉さんがしゃがんでぼくと目を合わせた。そして、お姉さんが名前を名乗ったからぼくも名前を言う。
お姉さんは「良い名前ですね」って言ってくれて、それが何だかとってもうれしかった。


今はジャーファルお姉さんに連れられたお部屋で新しい服に着替えている。ぼくの着せられた服はなんだか女の子の服みたい。ぼく、男の子なのにどうして?


「お姉さん、どうして女の子の服着るの?」
「え?」
「あのね、ぼく、男の子だよ?」


その場にいた人がかたまった気がした。

title:カカリア

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