candy

甘い甘いあめ玉と甘い甘い言葉を頂戴…?
たまにしか会えないからこそ、会えたときはずっと一緒にいたいの……



〜candy〜



「はいこれ」

パサッと分厚い紙の束を目の前の眼鏡を掛け、毛先がくるんっとはねている人物ーーー
黒の教団室長、コムイ・リーに手渡す。

「おかえり、ヒロインちゃん。どうだった?今回の任務は」

ヒロインと呼ばれた少女はその言葉には返事を返さずにぱたぱたと足音を立て、愛しい人を探す為に走って部屋を出て行った。

コンコンーーー

2回ドアをノックすると中からはい?という声が返ってきた。

「ただいまラビっ」

そう言うと中から慌てて赤髪で右目に眼帯をつけた少年が飛び出してきた。

「ヒロインっ」

ぎゅっときつく抱き締めると、そのまま部屋に連れ込む。

「ラビ!ちゃんと無傷で帰ってきたよっ」

ごほうびは?と問う目に軽くため息をつきながら「約束だから仕方ないさね」と言いながら引き出しからあめ玉を取り出した。
任務前にヒロインは、“無傷で帰ってきたら飴をくれる。それとなんでも言うことを聞く”という約束をラビとした。「ちゃんと約束守って帰ってくるよ」そう言って出発してその通りに帰ってきたのだ。

包装をとったあめ玉を口の中に突っ込んでやると幸せそうな顔。

「ありがとラビ!」

「いえいえ。
で?“なんでも言うこと聞く”って何すればいいさ?」

ラビが問うと顔を真赤にして俯きがちになるヒロイン。

「…あのね?」

「何さ?」

真っ赤になるヒロインが可愛くて、わざと少し意地悪してやるとこにした。
顔を近づけて覗きこむと、更に真っ赤になって顔を両手で覆って隠す。
その手を外し、両手で頬を掴み上を向かせて、「何でもゆってみ?」と耳元で囁くと「耳かして…」と小さな声で呟くのが聞き取れたから、ヒロインの唇のそばに耳をちかづけてやる。

「あ、あのね…?えっと……ち…」

「ち?」

「ちゅー…して?」

そんな可愛いお願い有りさ!?
そう思っていると「あと、ね?」という声が聞こえたから「あと?」と耳を傾けた。

「すき、って言って……?」

「…はっ」

「ラビ!?」

急に笑ったのに驚いてるヒロインをぎゅっと抱き締め、耳元で「そんなお願いいつでも聞いてやるさ」と低く囁いて、頬に軽く口付けあごをくいっと持ち上げ固定すると真っ赤になって、ヒロインが俺を見つめる。

「大好きさ」

そう言い、深いキスを堕とす。

「ラビ…っだいすきっ」

そう言うヒロインが愛おしくて、もう二度と離さないと決めた。

たまにしか会えないからこそ
会えた日には甘い言葉をたくさん頂戴?
私の中にあふれる気持ちもめいっぱい伝えるから…


-END-








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