脳髄までも溶けそうです





口唇愛撫をして欲しい、なんて與儀は唐突に言った。ちょっとお茶でもして行こうよーという、学生ならではの放課後決まり文句のように。嫌だ気持ち悪い失せろと散々拒否の姿勢を示していた花礫だったが、無理矢理ベッドに引きずりこまれ、顔の目の前にペニスを差し出されてはどうにもこうにもいかなかった。ちゅうっと先端を吸うと先走りが形の良い唇を汚した。それだけで征服感。愉快そうに笑う與儀は自分の下腹部に頭を埋める花礫の髪をさらりと撫でる。痛みのない、綺麗な黒髪。必死に小さいを開けて大きなペニスを咥える様子はとても卑猥で、それだけでも達してしまいそうになる程だ。


「俺のお味はどう?」


「っ…ん、ふぅ………にが」


「あっ駄目だよー止めちゃ」


んぐぅ、と再び喉の奥までペニスを突っ込まれた。正直今すぐにでも吐き出したい気持ちに駆られる花礫であったが、與儀の手でしっかり後頭部を押さえつけられそれは叶わない。こうなったら、さっさとイかせてやるまでだ。そこから花礫は今までと路線を変更し、與儀の大きく膨らみ脈打つぺニスを大胆に奉仕し始めた。竿を舐め、玉を揉みながら垂れてくる先走りをいやらしい音をたててすする。


「…っ…ど、しちゃったの…」


「…っ…んぅ……ふ……」


堪らないといった様子の與儀に花礫はご満悦気味だ。普段は主導権を握られっぱなしの為か、余裕のない與儀の表情はあまり見たことがなかった。気分が次第に高揚していくのを感じながら息を荒くして、亀頭を口に含み、舌で性器の形をなぞる。こくこくと溢れる透明な液体を舐めとり、脈打つそれを一心不乱に感じていた。與儀は花礫の積極的なフェラにすっかり堕ちていた。そして無意識に揺れる花礫の腰にも。まだ服は乱れていないので分からないが、きっと淫らに収縮を繰り返しているのであろうアナルに早く触りたいし挿れたいと與儀は思った。


「…っぁ……っ……んぅ……花礫…く、ん…」


「…ふ…んぅ……だひぃてぇ…」


「…っ…い、いのっ?…飲んでくれる……?……っそれとも…顔にいっぱいかけられたい…?」


調子に乗るなと花礫は與儀を一瞥したが、すっかり奉仕に酔いしれている為かそんな視線は全く気にならない──むしろ興奮している──ようだ。口をすぼめ、舌でどくどくと脈打つ血管をつーっとなぞると、與儀の腰が一層揺れた。花礫の思わぬテクニカルぶりにも相当クるものがあるが、なんといってもこの眺め、この光景である。あのいつも憎まれ口ばかり叩く口が、銀の陰毛に顔を埋めてペニスを咥えているなんて。


「っ…どっちが良いの…?」


「……んぅっ……口…」


「はは、了解…っ」


先端の尿道を舌先でまさぐった途端に生臭い匂いが口いっぱいに広がった。独特の雄の匂いと勢いよく発射されたそれに思わず花礫はむせかえりそうになったが、飲んでと言わんばかりに髪の毛を掴む與儀の手が離れる事を許さない。ごくり、と一口。やけに生々しく喉仏を上下させてその音は鳴った。


「不っ味……!」


到底喉越しなどジュースを飲むようにはいかないわけで。花礫は直ぐにギブアップした。不味い、気持ち悪いと連呼すると與儀はひどいなあと苦笑い。口の端から溢れ出した精液が顔の輪郭を伝ってぽとりとシーツに落ちた。


「フェラ、うまかったんだ」


「まーな」


花礫は頬に付いた精液を指で掬い、その汚れた指をまるでアイスキャンディーを舐めるかのようにぺろりと舐めた。やっぱり不味い、と顔をしかめる花礫。赤い舌の上に自分の出したばかりの白濁の液体が乗っている。口から出される言葉とは裏腹に花礫はぺろぺろと猫のようにそれを舐めていた。與儀はその一連の可愛らしい動きに再び萎えたペニスが半勃ちしたのを感じた。


「っ…花礫くん」


「ちょ、ぁ、與儀!」


「挿れたい。今すぐに。花礫の此処に。ねえ良いよね?おちんちんでぐちゃぐちゃに掻き混ぜてあげる」


ノーという答えの許されない問い。服を脱がせる手付きが性急で與儀に余裕というものがひとかけら存在しないことが分かる。花礫は頬を赤く染めつつ、首にぐるりと手を伸ばし、銀髪を自らの元へと引き寄せた。



脳髄までも溶けそうです


ただしゃぶってるだけですねすいません

お題Largoさま




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